ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

負担軽減を求める声

2007年01月20日 00時58分19秒 | 障害者の自立
鹿児島市で行われたシンポジウムです。


障害者自立支援法検証シンポ 「負担増えた 見直しを」 現状報告、運動の継続確認

障害者自立支援法の根本的見直しを求める運動の継続を確認したシンポジウム

 障害者自立支援法を検証するシンポジウム(社会福祉法人「麦の芽福祉会」主催)が13日、鹿児島市山下町の市民福祉プラザであった。昨年10月の同法全面施行後、障害者や施設を取り巻く環境がどう変化したかなどを検証し、障害者の負担を増大させた同法の見直しを求めていこうと開いた。

 同会は同市と指宿市、薩摩川内市で身障者通所授産施設やデイサービスなどを運営、約600人が利用している。シンポには同会を利用する障害者や家族、職員ら約70人が参加した。

 パネリストとして登壇した職員が2人の障害者の家計を紹介。施設利用料が1割負担となり、赤字となっている実態を浮き彫りにした。また、利用者のアンケート調査結果が報告され、「お金がかかるので作業所に行く日を減らした」「デイサービスをやめざるを得なくなった」など、不満や不安の声を伝えた。

 このほか、障害程度区分によって身体介護を受けられる時間が1日5時間から30分に減らされた事例や、ケアに対する報酬が減らされ、職員も給与に不安を抱いていることなどが紹介された。

 来年度から予定される利用料負担の軽減などの改正については、「自立支援法の矛盾を訴える運動を続けてきた結果」と評価。しかし、障害程度区分と定率負担は許されないとし、根本的見直しのため運動を続けることを確認し合った。


=2007/01/14付 西日本新聞朝刊=

2007年01月14日12時53分

栃木の障害者雇用率

2007年01月18日 14時04分15秒 | 障害者の自立
栃木県の障害者の雇用率がわかりました。 
参考にしてください。

 県内民間企業の2006年の障害者雇用率(6月1日現在)は前年比0・08ポイント増の1・52%で、雇用されている障害者数が初めて2000人を突破したことが栃木労働局の7日までの調べで分かった。知的障害者の雇用が増えているのが主因。同労働局職業対策課は「障害者自立支援法による就労支援の本格化で、身体障害者に比べて雇用が少なかった知的障害者が伸びる傾向にある」と分析。福祉施設などと連携し障害者の就労をさらに促進させたい考えだ。
 雇用されている障害者は2073・5人(短時間労働の精神障害者の場合は0・5人として計算)で、前年に比べて106・5人増えて過去最高になった。

 このうち身体障害者が1681人で最多。知的障害者は前年比50人増の384人で、伸び率は15・0%と身体障害者の伸び率(2・9%)を大きく上回った。新たに雇用率の算定対象になった精神障害者は8・5人だった。

 企業規模別で障害者の雇用率を見ると、労働者56-99人の企業の平均雇用率は1・96%で、法定雇用率(1・8%)を上回った。500人以上の企業は昨年より改善したものの、1・5%台にとどまっている。

 同労働局職業対策課は障害者自立支援法で就労支援が強化されたことなどを受け「各企業の意識も変わりつつある」と指摘。一方で「企業規模が大きいと、相当数の障害者を雇わなければならないため、法定雇用率の達成までに時間がかかる」とみている。

 県内民間企業の障害者雇用率は04年に過去最低の1・43%となり、2年連続で全国平均を下回っていたが、今回は全国平均と並んだ。

 同労働局は福祉施設の担当者を対象に就労支援セミナーを開くなど関係機関と連携を強化。法定雇用率の未達成企業に対する指導を徹底しており、景気回復の流れが続けば、さらに雇用率が上向くとみている。

 これまで同労働局は、雇用率が1・2%未満の企業に雇用計画の作成命令を出すなど強い指導をしてきたが、07年度からは、その対象を雇用率が全国平均を下回った企業に拡大する。

中国新聞より

2007年01月14日 01時34分42秒 | 障害者の自立
救済策も所詮は参院選の人気取り終わりような気がします。


改革のひずみ 是正図れ '07展望 社会保障 '07/1/8

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 歳出の20%を超え、増え続ける社会保障費の抑制は大きな課題だ。ただ、財政主導による改革で国の支出は減っても、障害者らに急激な負担増をもたらすだけでは本末転倒だ。

 小泉前政権で昨年矢継ぎ早に行われた介護保険の見直し、障害者自立支援法の施行、医療制度改革…。障害者らの負担増に伴うひずみも出てきており、安倍政権に是正が迫られている。夏の参院選に向けた一時しのぎの緩和策ではなく、医療、介護、年金の社会保障の全体像を見直した上で、総合的な改革ビジョンをあらためて提示するべきだろう。

 「支援法」手直し

 二〇〇七年度の政府予算案には、障害者自立支援法の円滑実施を図るため、〇八年度までの特別対策として障害者の負担軽減策や、福祉作業所のような事業者への激変緩和措置など千二百億円が盛り込まれた。

 原則一割の「応益負担」を導入した自立支援法が昨年四月にスタート。作業所に通う障害者は施設利用料、食費、送迎バス代などが自己負担となった。負担増は月に平均三万円近くにも上る。「これでは障害者の自立支援の趣旨に逆行する」という、障害者や家族らの悲痛な声が全国で相次いだ。二年間の限定付きの特別対策は、こうした批判が強まったことから、「改革」の実質的な修正を余儀なくされた形である。

 背景には、企業などで障害者雇用が進んでいない現実がある。何とか働いて自立したいと、作業所に通い障害者が得る工賃はせいぜい月に一万円程度。重度の障害があれば、食事の介助など福祉サービスを受けなければ日常生活はできない。サービスを受ける障害者に負担を課すこと自体に無理がある。地域での自立を促すには、所得保障と連動した抜本策が必要だ。

 参院選を意識か

 医療費の抑制をめざし、昨年十月から始まった医療制度改革にも、同じような問題がある。現役並みの所得がある高齢者は、医療費の窓口負担が二割から三割に引き上げられた。〇八年度からは七十五歳以上の新しい医療保険もスタートする。減税廃止などで年金が目減りする中、負担に耐えきれるのだろうか。

 難病対策でも、対象患者が五万人を超えたかいよう性大腸炎とパーキンソン病を、難病(特定疾患)から外す方針が検討されたが、昨年末に急きょ見送りになった。病気が治らないから患者数は増える。患者が多いのを理由に医療費の公的負担を打ち切られたのではたまらない。患者らの反発は当然だ。自民・公明の与党が是正を求める決議をして申し入れ、厚生労働省の方針が撤回された。参院選を意識した動きとも受け取れる。こうした措置が当面は一年限りというのもそれを裏付けている。

 最も気になるのは、療養病床三十八万床を一一年までに十五万床に削減する再編である。高齢者の「社会的入院」を減らすのが目的だが、介護側の事情にも配慮しなければ、行き場を失った「難民」を生むことにもなりかねない。受け皿となる介護施設など、準備を進めながら慎重に進めることが不可欠だ。

 全体へ目配りを

 介護保険の改定では、「要支援」など要介護度の軽い高齢者に、ヘルパー派遣を削減する代わりに、昨年六月から筋肉トレーニングで進行を遅らせる手法が進められてきた。

 予防的な視点は大切だが「面倒な運動をするぐらいなら」と通所介護を敬遠する人も少なくない。運動機能向上サービスを提供する業者の届け出も、昨年末で半数止まり。最高66%、最低は31%で、二倍以上の地域差が出た。一律に筋トレをするより、地域によっては散歩や買い物をしやすくする歩道整備などの方が、効果的な場合もあるのではないか。

 無駄な支出を抑える改革は必要だが小泉前政権では経済界の意向が強く反映され、社会保障費すべてを削減する「ごり押し」の色彩が濃かった。一方で削減しても別の部分で補完する柔構造があれば安心できる。何より総合的な目配りを望みたい。


西日本新聞社説より

2007年01月12日 00時30分58秒 | 障害者の自立
今日は西日本新聞社説から「人口減に対応できる将来像を 安心できる社会保障」
と言うタイトルの記事を紹介します。
「難民」という言葉が印象に残る内容です。支援体制の不備を強く訴えています。
日本という国はこの先どこに向かうのでしょうか?我々当事者には「不安が一杯」
皆さんは、どう思われますか?

人口減に対応できる将来像を 安心できる社会保障 
 なぜ、このような言葉が使われるのだろうか。しかも、私たちが生きていくうえで、とても大切な、生活の基盤を支える分野でである。

 近ごろ、とみに耳にする「難民」と言う言葉である。一般的に戦争などで困難に陥った、とくに、戦禍を避けて流浪している人たちのことを指す。

 「介護難民」「がん難民」「リハビリ難民」…。病院や施設などにも受け入れてもらえず、行き場を失った人たちを例えているのである。

 悲哀さえ感じる言葉を用いなければならないほど、多くの人が将来の介護や医療に漠然とした不安を抱いているのではないだろうか。

 これまで、病を医療が支え、暮らしを福祉が支えてきた。

 だが、いまや医療と介護、福祉の壁はなくなりつつある。とりわけ介護保険制度が導入されて以来、その垣根は低くなった。


■足りない支援体制

 国は医療機関から在宅介護へシフトする施策を相次いで打ち出した。

 医療の必要の少ない人が入院する「社会的入院」を解消するため2012年度までに、現在、全国に38万床ある療養病床を15万床へ大幅削減する。さらに医療機関でのリハビリテーションも、昨年の診療報酬改定で病気の症状ごとに日数制限を設けた。

 その背景には、高齢者の増加で国民医療費が毎年約1兆円ずつ増え続け、医療財政を圧迫していることがある。もちろん、医療の必要の少ない患者を入院させたり、漫然とリハビリを続けさせるのは、医療財政面からも抑制すべきだ。

 問題は、病院から在宅へ移行する際の受け皿が十分でないことだ。介護保険のリハビリ1つ取ってみても、質、量ともに不十分である。

 介護保険が始まって、今年で7年目を迎える。医療と介護の見直しは、一応図られたといえるが、今後は双方が本格的に連携を図ることが大切だ。

 介護保険は、家庭内の介護を「社会化」したという点で画期的だった。

 しかし、とくに認知症の人がいる場合、介護サービスを利用しても、家族の負担は計り知れない。いつ終わるかわからない介護に心理的に追い詰められ、介護殺人や虐待などに走るケースが後を絶たない。

 だれにも気づかれず「孤独死」するお年寄りも増えている。なかには、生活保護を申請したものの認めてもらえず、餓死したお年寄りもいた。

 景気の回復を横目に、所得の格差は開く一方である。生活保護受給世帯は13年連続で増え続けている。

 だが厚生労働省は、福祉政策と受給財源の安定的な持続を名目に、生活保護費の一層の削減に踏み切った。

 生活保護受給者のうち、子育てをしているひとり親に一律支給している「母子(父子)加算」を08年度末までに廃止する。持ち家に住む65歳以上の受給者への支給も停止し、自宅を担保に生活資金を貸し付ける「リバースモーゲージ」制度を導入する。

 生活保護など福祉政策の前提として、個々人の努力が求められることは言うまでもない。だが、生活保護は「最後のセーフティーネット」でもある。本当に生活保護が必要な人々が、福祉の網から漏れるようなことがあってはならない。

 障害者自立支援法の運用でも、地域による格差が問題となっている。国は実態を直視して、障害者が地域の中で自立し最低限の生活を維持できるよう対策を講じてもらいたい。

 これからは医療、介護、福祉を地域社会の中で連携させることが欠かせない。そのためには「地域の目」が大切だ。孤立した世帯を早期発見するには「地域の目」をどれだけ増やせるかがカギを握る。

 そのために、介護支援を軸にきめ細かな地域づくりを手掛けてはどうだろう。地域の実情を熟知した支援相談員を養成し、医療や福祉との連携を図る役目を担ってもらうのである。


■65歳以上が4割に

 昨年末に公表された将来推計人口では、1人の女性が生涯に産む子どもの数が現状のままならば、2055年には総人口は現在より4000万人減り約8990万人になる。65歳以上は4割を占めるようになるという。

 この数字が示す人口減少社会は、社会保障制度が今のままで維持できるかを突きつけている。現在、1人のお年寄りを3.3人の働く世代が支えているが、50年後にはこれが1人を1.3人で支えることになる。

 将来にわたって持続可能で安心できる社会保障制度を築くには、いま1度、実態を個別に検証していく必要がある。無駄な給付の抑制や適正化は当然必要だが、社会的弱者がしわ寄せを受けないためにはどうすればいいか。

 安倍晋三首相は政権公約に「年金、医療、介護、福祉の一体的見直し」を掲げたが、まだ本格的な議論は始まっていない。人口減社会にあっても国民一人一人が安心や信頼を得られるよう、社会保障制度の将来像について明確なビジョンを提示するときである。

=2007/01/06付 西日本新聞朝刊=

2007年01月06日

第3回

2007年01月10日 01時04分16秒 | 障害者の自立
今日は沖縄での出来事です。

[沖縄タイムス 2006年12月23日・朝刊]
■県、終日介助認めず:ヘルパー時間で裁決、重度身体障害大城さん請求――夜間30分は「不適切」/沖縄■

 重度身体障害者の大城渉さん(21)=宜野湾市=が、名護市が七月に決定したヘルパーの支給時間では足りないとして、決定を取り消し支給時間を増やすよう求めた不服審査請求で、県は二十二日、大城さん側の請求を一部認める裁決を下した。二十四時間支給は認められなかった。大城さんの出身地で、サービスを支給している名護市は今後、午後十一時から午前七時までの就寝中の支給量を現行の「一日三十分」よりも増やさなければならない。残る十六時間の支給量は適切と判断された。名護市は「なるべく早く支給時間を見直したい」と述べた。障害と人権全国弁護士ネットによると、四月の障害者自立支援法施行後、不服審査請求の裁決は全国で初めて。
 大城さんは進行性の難病・筋ジストロフィーで、筋萎縮や筋力低下のため両手足を動かすことができない。痰を出したり、就寝中の体位変換や人工呼吸器の作動確認もあり、二十四時間のヘルパー支給を求めていた。

 裁決では「体位変換と呼吸器確認は二時間に一回程度が全国的に標準」という主治医の意見書に基づき、一日三十分では体位変換(二十分程度)が一回しかできないため、名護市の決定は不適切と判断した。

 一方、就寝中以外の介助については、午前に三時間、午後に四時間のヘルパーがいない空白があるものの、日中の体位変換用の時間として一時間の支給があることから適切とした。

 裁決書を受け取った後、県庁内で会見した大城さんは「取り消しは一部だけで、二十四時間介助の必要性が認められなかったことで複雑な気持ちだ。名護市は就寝中だけでなく、日中の支給時間も改めてほしい」と肩を落としていた。

 名護市は今後、午後十一時から午前七時までの就寝中のヘルパー支給量について大城さんと交渉に入る。宮城幸夫福祉部長は本紙の取材に「決定を謙虚に受け止めたい」と早期見直しを明言し、二十四時間支給については「状況に応じたサービスを給付していく」と従来の立場を繰り返した。

 大城さんは今年九月十一日に県障害者介護給付費等審査会(金城博会長)に不服審査を請求。三度の審査会と大城さんの意見陳述などを参考に、県が裁決を下した。
【平良秀明】


     ◇     ◇     ◇     

・自立の道 行政が壁

 ささいな事故や風邪が生命の危機に直結する重病と闘い、障害者が安心して生きる権利を訴えた大城渉さん(21)。二十四時間の介助を求めたが、県が二十二日下した裁決は名護市の処分を「一部取り消す」内容。全国初の挑戦に、多くの障害者の仲間と期待を膨らませてきたが、「負けたような気持ち」と悔しさをにじませた。無償で支援してきた代理人の岡島実弁護士は、満足な結果ではないとしながらも「市の姿勢を一部でも誤りと認めたことは評価すべきだ。小さな一歩だが、前進だ」と、今後の名護市との交渉を控え鼓舞するように語った。

 「審査請求を認容し、名護市の処分を一部取り消す」。宮城洋子県障害保健福祉課長が裁決書を読み上げると、手渡された文書をじっと目で追っていた大城さんの顔が輝いた。しかし、生きる権利として求めた「二十四時間介助」は、県にも拒まれた。


・小さな一歩

 大城さんは「最初はうれしかった。でも結局、二十四時間介助は必要ないと書かれていた。負けたような気持ち」と悔しさをにじませた。「でもやってきたことが、全国の障害者の力になるなら、やってよかった」と気丈に笑顔を見せた。

 岡島弁護士は「小さな一歩だが、前に進んだことは大きい」と一定の評価をした上で、「二十四時間介助は必要ないとした県の認識は残念。生命の安全を維持しながら生活するにはどうすればいいかを、真剣に考えてほしい」と強調。就寝時八時間の支給を求め、早ければ年内にも名護市と交渉に入りたい考えだ。


・あきらめぬ

 九月の不服申し立てと同様、多くの仲間や支援者が県庁の会見室を埋めた。重苦しい雰囲気の中、県自立生活センターイルカの長位鈴子さんは「県外でも支給時間など減らされている仲間は多い。地域で生きることをあきらめてはいけない。沖縄の動きを九州などにも広めていけたらいい」と話した。
【儀間多美子】


◇実態把握に疑問――障害と人権全国弁護士ネットの竹下義樹代表
 就寝中以外の時間は、本人の生活実態とニーズを把握した上で必要量を判断したか疑問だ。どんなに専門家の意見を入れたとしても、現実に本人が人間らしい生活を送れていなければ意味がない。(行政の予算の枠にはめるのではなく)個々の障害者の生活実態に照らして妥当性を判断すべきで、こうした不十分な給付の在り方は今後問われると思う。


≪解説≫ヘルパー不在 水摂取は排泄は――「地域で生活」理念遠く

 県が大城渉さんの就寝中の支給時間を不適切として取り消した根拠は、「二時間に一回の体位交換や人工呼吸器の動作確認が全国の標準」とする主治医の意見書にある。

 午後十一時から午前七時の就寝中の八時間が、現行の三十分だと一回の体位交換(所要時間二十分)だけで終わってしまうため、標準的な介助ができないというのが取り消しの理由となった。

 逆に就寝中以外は、計七時間のヘルパー空白時間に対し一時間の体位交換時間が給付されているので、適切と判断した。

 これだと食事や入浴などの時間を除き、「二十分の体位交換を二時間に一回の割合で確保していれば十分」と、サービス量を決める市町村に解釈される恐れもある。

 大城さんはヘルパーがいないと水を飲んだり、排泄するなどの日常生活ができない。外に出る余裕もない。すでに大学もやめた。「一度きりの人生を悔いなく生きたい」と自立を目指して施設を出て、地域社会でアパート暮らしを続ける大城さんの希望とは隔たりがあまりにも大きい。

 代理人の岡島実弁護士は「行政上の手段を可能な限り尽くす」と今後の訴訟については否定的だ。ある福祉関係者は「予算の枠に縛られる県が市町村に行う裁決では、結局何も変わらない」と、国を巻き込んだ訴訟の必要性を強調する。

 国が、予算枠内での給付から個別ニーズに対応する給付へと障害者福祉に対する考え方を変え、財政面で市町村をバックアップしない限り、「障害者が自立した日常生活や社会生活を営む」という障害者自立支援法の理念の実現は遠い。