猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

権力闘争の好きな自民党、国家主義者の安倍晋三

2019-08-11 19:57:55 | 国家


先日、小泉進次郎と滝川クリステルの婚約会見で、進次郎が次のように語った。

「政治の世界って、私からすると戦場なんです。いつ命を落とすか分からない。やるかやられるか、そういった権力闘争が避けられない部分があって。」

そして、クリステルと一緒にいると、無防備な自分でいることができ、救われる思いがして、結婚することにしたという。

小泉進次郎だけでなく、自民党の政治家は権力闘争が好きで闘っているようだ。

「闘う政治家」を自認する安倍晋三も、『新しい国へ――美しい国へ完全版』(文春文庫)で次のように言う。

抗争を繰り返していた……二つの保守政党が、恩讐を乗り越えて合併をはたし、自由民主党が誕生した。」

安穏と「時機を待って」いていいのか。最後は自分自身で決めるべき問題でした。私の決意の聞いた同志たちと火の玉となって総裁選を戦った。」

まるでヤクザの出入りである。

安倍はなんのために闘うのか。「日本が本当の意味での独立を取り戻す」ためだと言う。それは、「国の骨格は、日本国民自らの手で、白地からつくりださなければならない」、すなわち、「自主憲法の制定」だと言う。憲法が米国の押し付けだから、日本が独立していないという論理だ。

しかし、安倍は、現在の憲法のどこが問題だ、と言うのか。

「連合軍の最初の意図は、日本が二度と列強として台頭することのないよう、その手足を縛ることにあった。」

後で自分の発言に いいわけ できるように「最初の」という修飾語を入れるところが安倍の巧妙さである。

「列強」が、安倍の本音を表わすキーワードである。

太平洋戦争(日米戦争)を次のように評価する。

「昭和17、8年の新聞には「断固、戦うべし」という活字が躍っている。列強がアフリカ、アジアの植民地を既得権化するなか、マスコミを含め民意の多くは軍部を支持していたのではないか。」

「民意の多く」という言葉が出てくるのは、安倍の祖父 岸信介が、東条英機内閣の商工大臣として、太平洋戦争の開戦の奏上に署名しているから、その正当化のために挿入された歴史の偽造である。

「日本の独立」というが、対米従属政策を行ってきたのは自民党そのものである。安倍のトランプ接待外交は何なのか。

安倍は対米従属を行う理由を次のように述べる。

「核抑止力や極東地域の安定を考えるなら、米国のとの同盟は不可欠であり、米国の国際社会への影響力、経済力、そして最強の軍事力を考慮すれば、日米同盟はベストの選択なのである。」

安倍は米国の「最強の軍事力」だと言っているのだ。

しかし、私は、この50年間、日本が米国に従属してきた理由は、米国の経済力であったと思う。EU諸国からは、日本の工業製品を買ってもらえない。米国は安ければ買ってくれる。

ところが、1980年代から自動車輸出をめぐって米国から文句が来るようになった。このころから、日本も米国の軍事作戦に直接協力しろという要請がきた。韓国は、米軍の指揮のもとにベトナムなどの海外の戦争に参加していたからである。日本に米軍基地を置くだけでなく、基地維持の経費を日本に払わせるようになった。

すなわち、お金の問題で、日米の利害が対立していることが明らかになったのである。これは、現在の米中の対立構造と同じである。

じつは、米国とは、USA政府のことで、米国の金持ちの利害を代弁しているのにすぎない。もちろん、日本というとき、日本は、日本の金持ちの利害を代弁している。

ここに、「国家主義」の詭弁がある。国家主義は、国内に格差があり、政府は金持ちを代弁しているだけである。弱い敵国を作り、それと争うことで、自分たちを正当化しているだけである。権力を握りつづけるために、たいしたことがなくても、安全保障上の危機を煽るのである。

安倍は、次のように言う。

「日本とアメリカは、自由と民主主義、人権、法の支配、自由な競争――市場経済という、基本的な価値観を共有している」

しかし、日本政府も米国政府もおこなっているのは、金持ちの自由「自由な競争――市場経済」にすぎない。民主主義とはひとりひとりが対等であるということだ。

安倍は「自由」「人権」を制限しようとするが、弱い者、貧しい者の「自由」「人権」を擁護しようとしない。そして、次のように述べる。

「アメリカのいうままにならずに、日本はもっといいたいことをいえ、という人がいるが、日米同盟における双務性を高めてこそ、基地問題を含めて、わたしたちの発言力は格段に増すのである。」

安倍は、日本に米軍基地があるのは、日本人がアメリカ人のために血を流さないからだ、と結論付ける。

「日本が真に独立していない」のは、憲法が米国の押し付けで、他国と戦争できず、アメリカ人のために血を流せないからだ、では、論理的に破綻している。自民党が経済的な動機から対米従属をおこなってきたことを無理に弁解をしているだけだ。

日本が「列強」になるために、自由と民主主義を抑え込み、吉田松陰の理念の「富国強兵」を進めているのが、安倍である。

私は、日本が列強になる必要はない、と考える。それより、自由、平等、愛を大切にする国であるべきだ。