最近句碑めぐりをしています。というのも、私は、松山に拠点を置いて活動を続ける文芸同人誌「原点」の同人に数年前に加えてもらい、以降ほそぼそとエッセイなどを書き続けてきました。来春には同誌の第100号が発行される予定です。昭和40年にスタートしたのだそうです。「松山市内、子規の句碑をたづねて歩く」という題でエッセイを書こうと思い、材料をあつめに歩いているわけです。写真は、市内の南高井にある杖ノ淵公園で撮ったものです。この池の水は湧水です。むかし弘法大師がここで杖をつくと水がわいて出てきたという説話があります。この公園の一角に子規の句碑が立っています。そこには、「ていれぎの下葉浅黄に秋の風」という句が彫られています。この句は明治25年に読まれたものです。ていれぎ、とは松山市の指定文化財(天然記念物)で、きれいな水の中でしか育たないそうで、深い緑の水草です。下葉とは、草木の下のほうの葉、という意味です。ですから、ここでは浅黄という色であり、ていれぎ、のことを言っているのではない、と理解いたします。秋の草、木、の葉ということでしょう。
この、「ていれぎの下葉浅黄に秋の風」を私の方法論で、英語に訳してみましょう。
まず、原風景を、日本語で再現します。
「今私は高井の里、ていれぎの里にやってきた。見ると、木の葉が浅黄いろに色づいているな。そりゃそうだ、いまは秋だもの・・・」
日本語で58音節になます。原風景の再現は読み手により変化します。
この再現風景を英語にします。
①I am now at the "teiregi" water-weed village in Takai. I can see leaves of the trees colored in pale-yellow. Ya,...It is now in autum.
又は
②I am now at Takai village ,famous for the "teiregi" water-weed. I can see leaves of the trees colored in pale-yellow. Ya,...It is now in autum.
浅黄は、pale-yellow, pale-yellowish, light-yellow,light-yellowish などが考えられそうです。こういうときの言葉の選択はgoogleを使います。検索の窓、あいた部分に、調べたい単語を入れます。例えば、”pale-yellow" といれ、検索、を押す。すると、ヒット件数が出てきます。上に挙げた単語のヒット件数は順番の通りに言えば、次の通りでした。2,470,000;151,000;1,730,000;114,000. したがって、このの中ではpale-yellow が一番使用頻度が高いとわかります。
同様に、秋ですも、it is autum も可能ですが、it is in autum のほうが使用頻度が高いとわかります。
これから、言葉を削ります。
now at "teiregi" village. leaves of the trees in pale-yellow. in autum.
これを3行にします。
now at "teiregi" village,
leaves of the trees in pale-yellow,
in autum.
事後的に考えたことでも修正したほうがいいとおもえば修正します。
例えば、
At Teiregi village,
The leaves of the trees in pale-yellow,
now in the autumn season....
ここでお分かりの通り、下葉の下は無視しています。まそれは、個人趣味として無視しました。俳句の英訳に決まったルールがあるわけではありません。以上は私の個人理論です。
それから、ガイド的に現場で外国人に説明するとしたとき、簡潔に、This means as follows:
At Teiregi village,
The leaves of the trees in pale-yellow,
now in the autumn season....
と言えたら、それは素晴らしい。が、そこまで頑張る必要はないとも言えます。
つまり、この程度に言えれば、OKなのです。
Everybody look here! You can see a haiku inscribed here. This haiku means as follows:I am now at Takai village ,famous for the "teiregi" water-weed. I can see leaves of the trees colored in pale-yellow. Ya,...It is now in autum. This haike was composed by Masaoka Shiki born in Matsuyama It was in 1892.
言葉を削るというのは難しのです。だから、無理してけずらなくてもいいと思います。
Let's enjoy the haiku in English. Don't think in a difficult way.