日本語誤百科 37 ページ 当面の間 を、例題にしている。解説は、当面 当分 このふたつを取り上げている。当面のあいだ と言うなら、当分 でよいとする。これは、放送研究と調査、2012年9月の記事解説にあるように、その用例があるようだ。原発事故に関連した表現にあらわれた。コラムの解説はまた、これを誤用とするかどうかを保留している。おそらく事態の深刻さとその復興を願うから時間的表現だけでは済まされないのだろう。そう思うのは、当分と当面との違いを捉え、そこに辞書にあるように当座についての使い方を見てみても、当面するという語にはもう少し意味内容があって、それは場合によると副詞的な時間の捉え方だけではない、当面する、直面することがらへの言及でもあると考え、それをもって、重大事の解決を図りたいという意味内容が表されている。 . . . 本文を読む
いくつかの語がまとまる、それは語の形態、意義、職能でまとまれば文法の品詞を見ることになる、また意味の連想による語を星座のように配置をすれば語の星図となる、さらに類義語による語の部類ができる、こうして語のまとまりをとらえることは行われてきた。なかでも、いくつもの漢字意義分類体辞書、漢語を意味分類することは平安時代から行われてきた。類書に倣って和名類聚抄が編まれた。現代語では、1964年に出版された分類語彙表、この書は絶版、は分類語彙表として、語を意味によって分類・整理した類義語集であった。これはその後に、分類語彙表、増補改訂版が出版されて、収録総語数9万6千語、異なり語約8万語を載せる。シソーラスthesaurus と呼ばれる。語源はギリシャ語"thesauros"、宝物庫の意味である。1852年、ロジェが語彙を意味によって分類したThesaurus of English Words and Phrases を著した。日本で最大のシソーラスは、1997年に日本語彙大系がある。 . . . 本文を読む
かみ、ほとけ、神仏を訓んだ。神道と仏教になる。神仏同体説があり、仏と神道の神とが同一であるとする考え方だが、本地垂迹説、神本仏迹説などがある。神仏習合また神仏混交の考え方の流れがある。日本の宗教思想である神の信仰に仏の教えが移入されたことを捉えるが、その経緯には神宮寺の建立がある。また為政者による国家鎮護に底流がある。6世紀から19世紀までのあいだ、1200年間に及ぶ。祭政一致を近代の国家に掲げて神道となる。神は立憲君主制の背景に復活した形となる。仏は民衆の救済に向かった歴史的な日本の思想ともなっていたので、衆生済度は続く。かみ ほとけ この違いを日本人としてどのように意識するかは、宗教、信仰、社会、人生に加えて、政治にかかわることである。 . . . 本文を読む
麻生財務大臣が何を言ったか。NHKニュースで映像は動かないが、その音声をじっくり聞いて、何を言ったか。
音声を聞いて間を取って聞き取ろうとしたのは、ま、できっこないけどね、といったことだろうか。
これを反語による表現とし、そのままに聞くことはない文脈である。
しかし、ここを文字化すれば字義通りとなるから、国語のニュアンスを感じないようだと、発言通りとなるし、活字記録はそれを伝える。
その前段で騒ぎの原因がどこにあるかというのを、事実認識としてマスコミに発言の矛を向けていたから、これは文脈上、ややこしい。ですよ、といったときに会場からささやかながら拍手があったのを、発言しながら、意識していったのだろう、そのような流れに例示のことばが聞き逃すことのできない内容となってしまっている。 . . . 本文を読む