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労働の汗の詩人・・・一本杉

2007年07月12日 | 川柳
函館「花園」句座400号

 一本杉作 近詠

縄のれん昼の仮面を脱いで来る
    人生の無駄にもあった生きる知恵
          紫の僧衣まとってまだ悩み

   自分史の一ページ目に母を書く

      言い切って戻れぬ橋に立っている
            平凡がいいと非凡な人が言い
                世渡りに妥協の文字を付けておく
                     ポケットの小銭と話して生きる
              この先を言えば波風立ってくる
       定年になって戦う爪を切り
               年を取る深さに父が生きて来る
      家計簿の敵のひとりに居る夫
                   私が私になって寝る布団
               躓いた数だけ残る物語

           教科書の通りに生きて出世せず

  辛口のジョーク孤独だなと思う
         沈黙も時に戦う武器になり
              伸び切ったわごむのままでいい夫婦

           あるだけの絵具人間描き切れず

           余命などどうあれ明日の絵を描く(400号)

           函館吟社年度賞14回の中で2回受賞

 川柳を始める前は詩人としてもすばらしい詩集を残されています。
全道、全国にどれほど入賞されたか・・・すごい・・のです。
お兄様は、川柳界でも有名な著書「剣花坊と鶴彬」を発表された坂本幸四郎さんです。

「どうして一本杉って雅号なんですか?」ってお聞きしたら三橋美智也の「別れの一本杉から取ったんだよ・・」ってホ・ン・ト・かなー?
ゴッホの「糸杉」の方が似合うけどなー!

 一本杉さんには珍しい「ラベンダーと少女」の句が一位になった時に「一本杉さんらしくないよお・・・!」と私が笑っていたら「男はねエー・・年を取ったら少女になるんだよ」って、すかさず渓舟さんが「そうだぞ・・・良く覚えておけよ!」ってホ・ン・トかなー?「じゃーあ女は・・少年になるの?」って聞いたら二人とも口をそろえて「そうだよ!」って・・・
もともと、人間の遺伝子の染色体は、女から始まっているけれど、最近の私の句も「男ごころ」で読んだ句が作りやすいので嘘でないような気がしてきました。

 それにしても、函館吟社も花園も一本杉!渓舟!といつも上位に呼ばれていましたね。
花園句座の互選ではいつも、貴重なご意見をいただいております。
いままで、何万句作句なさったでしょうか?

    「労働者」の句が一番多いような気がします。汗の句が似合います。

          汗の手が一番似合う握り飯(吟社7月号雑詠一位)


コメント
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