<詩> 泥 樹 原子 修
いかなる木といえども 空のたかみに燃えさかる星をめざして地平からおのれのすがたを起きあがらせ なにものにもかえがたいいのちの証を大気のキャンバスに描きだすには
目に見える幹や枝の重みを地下のくらがりでしっかと支えもつ見えざる太根や細根の ひたかくされたはたらきこそが無くてかなわぬと知れ
いかなる木といえども 空のきわみに冷瓏と冴えわたる星をめざして地の面からおのれを垂直に吊りあげ けっしてゆずることのできない価値と尊厳をいっぽんの木のかたちへとうつくしく肉づけするのには 地中の闇にくまなくはりめぐらした太根細根の全量をひしとだきしめてはなさぬ 見えざる泥土の母の 人目をしのぶいつくしみこそが無くてかなわぬと知れ
いかなる木といえども 空のいただきにまたたく不滅の星をめざして 地の低みから孤絶のたかみへとおのれを雄雄しく立ちあげ なにびとにも侵されることのない独創の冠を緑なす葉むらにほこらしくかかげるのには 地の底でのたうつ泥の乳房からしたたる神の恩寵こそが 苦難にいどむ木の全身をうるおす樹液の 無くてかなわぬ源と知れ
と 地のふかみにひそむみえざるものの愛におのれをゆだねていきるいっぽんの木が みずからの耳にささやいた
☆川柳の『泥』から今・・木へとなる「いっぽんの木」
池さとし(理)の木
青葉テイコ(情)の木
佐藤容子(知)の木
いっぽんずつの、養分を吸い続けている樹・・・「泥の樹」
うぶ声から「泥」の地球誕生そして、いっぽんの樹たちへのエールです。
いかなる木といえども 空のたかみに燃えさかる星をめざして地平からおのれのすがたを起きあがらせ なにものにもかえがたいいのちの証を大気のキャンバスに描きだすには
目に見える幹や枝の重みを地下のくらがりでしっかと支えもつ見えざる太根や細根の ひたかくされたはたらきこそが無くてかなわぬと知れ
いかなる木といえども 空のきわみに冷瓏と冴えわたる星をめざして地の面からおのれを垂直に吊りあげ けっしてゆずることのできない価値と尊厳をいっぽんの木のかたちへとうつくしく肉づけするのには 地中の闇にくまなくはりめぐらした太根細根の全量をひしとだきしめてはなさぬ 見えざる泥土の母の 人目をしのぶいつくしみこそが無くてかなわぬと知れ
いかなる木といえども 空のいただきにまたたく不滅の星をめざして 地の低みから孤絶のたかみへとおのれを雄雄しく立ちあげ なにびとにも侵されることのない独創の冠を緑なす葉むらにほこらしくかかげるのには 地の底でのたうつ泥の乳房からしたたる神の恩寵こそが 苦難にいどむ木の全身をうるおす樹液の 無くてかなわぬ源と知れ
と 地のふかみにひそむみえざるものの愛におのれをゆだねていきるいっぽんの木が みずからの耳にささやいた
☆川柳の『泥』から今・・木へとなる「いっぽんの木」
池さとし(理)の木
青葉テイコ(情)の木
佐藤容子(知)の木
いっぽんずつの、養分を吸い続けている樹・・・「泥の樹」
うぶ声から「泥」の地球誕生そして、いっぽんの樹たちへのエールです。