ドイツのライツ社とミノルタが技術提携して作ったカメラ
ライカを作っているドイツのライツ社と日本のミノルタカメラ(現在は、SONYに吸収合併されている。)が技術提携して、露出計内蔵のレンジファインダーカメラを作りました。1973年だったと思います。ライカとしては、露出計が内蔵された最初のカメラです。CLの後に出たM5は、ミノルタの電子技術を使ったCLとまったく同じ露出測定機構を備えています。
マウントフレーム上端に、距離計と連動するコロがあります。これを押すことで、ファインダーの二重像が動きます。
巻上げレバーを巻くと、シャッター幕の中央にcdsの露出測定センサーが出てきます。フィルム中央部で露出を測定しているので、中央部のスポット測光になります。
そのライツ・ミノルタCLのレンジファインダー二重像がほとんど消えて見えません。軍艦部を開けて、修理することにしました。ちょっとご無沙汰のカメラの修理です。
巻上げレバーとシャッターのリングと釣り枠を止めているビスを外すと軍艦部が外せます。シャッタースピード、絞り、露出計の針がファインダーから確認できる機能を備えているので、その機構がビッシリ組み込まれています。
ファインダー部の斜めのガラスが、距離合わせをする二重像を映すハーフミラーです。
確認すると特に不具合は認められません。キレイな半透明です。このガラスは光を30%位反射するハーフミラーになっています。
ファインダー部に不良個所は見当たらないので、右側の二重像の光を取り入れてハーフミラーに送るプリズムやレンズ部を分解しないとならないようです。この箇所は、装着するレンズの焦点距離に合わせてブライトフレームを変更するための光を取り込んだり、シャッターと連動した露出計も組み込まれていて分解するにはかなり厄介な部分です。
露出計は、カメラ正面から見えるシャッターダイヤルと連動していて、それも複雑な機構になっている要因です。この位置にシャッターダイヤルがあるのは、両手でカメラを構えたままでファインダー内の露出をカメラから目を離さずに合わせられる画期的な機構だと思います。M5も全く同じ構造です。
こんな感じで、ファインダーを覗きながらシャッター速度を調整します。このダイヤルの中央部、銀色のダイヤルであらかじめASA感度(フィルム感度)設定しておきます。
”minolta”の文字の右にある小さな窓から、レンズの距離リングと連動した二重像の光を取り入れる窓です。
ちょっと見ずらいですが、ファインダーは、こんな感じです。
上側にシャッター速度が表示されます。右に露出計の針が、電池を入れていないので上に振れています。
その内側には、40mmレンズの枠が出ています。
ご覧のように本来この枠線、ブライトフレームの中央部に距離合わせのためのオレンジの二重像が表示されるのですが、全く見えません。
ここから先は、かなり厄介な作業となるので、今日はここまでとします。
距離を合わせる二重像が薄いのは、どうも小さな直角プリズムの鏡面蒸着塗装が劣化しているのが原因のようです。そのプリズムを取り出すまで行っていません。
次の報告で、何とかできていれば良いのですが・・・
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