台湾ワン!(Taiwan One!)

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「ので」はすべて「所以」に変換できる?

2012年10月16日 | こう言うんだ!~リアルな中国語
先日、中国語についてこんな質問がありました。日本語の「ので」はすべて「所以」に訳されるわけではない気がするが、「所以」に変換できる、できないの違いはどこかと。

結論からいうと、因果関係が強いほど変換でき、逆に、因果関係から離れるほど変換できない。ただ、中国語の接続詞全般にいえることだが、前後関係がはっきりしている場合、特に口語では接続詞を省くことが多く、つけるとかえってくどい感じがすることしばしば。なので、因果関係が強くても、「所以」を使わないときもある。

なお、「所以」は説明・釈明の語調があるため、用いると含み、婉曲、遠慮、丁寧などの効果があり、因果関係になくても使うときがあるようだ。

以上を踏まえて、以下、「ので」と「所以」の関係を見てみよう。

●電車が遅れたので、会社に遅刻した。
⇒電車誤點,(所以)我上班遲到了。
(「会社の遅刻」が「電車の遅延」の生んだ結果。ただ、両者の関係が明白のため、連動文(連続動作を時間順に述べる文)として処理しても有り)
●電車が遅れているので、もうちょっと待っててください。
⇒電車誤點,你再等我一下。
(「待ってほしい」は「電車の遅延」の生んだ結果ではなく、「電車の遅延」の状況を受けて、相手に「待ってほしい」わけを説明しようしている。ただし、説明・弁明口調を狙うなら、「所以」を使ってもOK)

●寝坊したので、もう間に合わない。
⇒我睡過頭了,(所以)已經來不及了。
(「間に合わない」が「寝坊」の生んだ結果。弁明語調であれば「所以」を用い、そうでないなら不要)
●寝坊したので、もう行くのをやめよう。
⇒我睡過頭了,我們就別去了吧。
(「行くのをやめよう」は「寝坊」が生んだ結果ではなく、「寝坊」をうけて、次どうしたいかの希望を述べている)

●明日が彼の誕生日なので、アップルパイを焼いてあげた。
⇒明天是他的生日,(所以)我為他烤了一個蘋果派。
(「パイを焼いてあげた」は「彼の誕生日」だからだ。ただし前後の文の関係が明白なため、「所以」がなくてもOK)
●田舎からたくさんリンゴが届いたので、アップルパイを焼くつもりです。
⇒老家寄來了很多蘋果,我打算烤蘋果派。
(「アップルパイを焼きたい」は「リンゴがたくさんある」の結果ではなく、「リンゴがある」という状況をうけ、次に起こしたいアクション)

●雨が降ってきたので、傘を持ってきた。
⇒下雨了,(所以)我帶傘來了。
(「傘を持ってきた」のは「雨が降った」から。因果関係がはっきりしている。(個人差あるが)「所以」を用いると若干くどい感じが残るので連動文として処理して十分)
●雨が降ってきたので、傘を持っていったほうがいいですよ。
⇒下雨了,你最好帶傘去。
(「傘を勧める」は「雨」の生んだ結果ではない。「雨」という状況をうけ、相手に「~したらどう?」の助言。どうしても説明・弁明口調で展開したいなら、くどい嫌いがあるが「所以」をもちいても構文としては許容範囲内)

●まだ時間があったので、近くをぶらぶらした。
⇒時間還早,所以我到附近逛了一下。
(「近くをぶらぶらした」は「時間があった」からだ。因果関係が明白である)
●まだ時間があるので、近くをぶらぶらしてみませんか。
⇒時間還早,要不要到附近逛逛?
(「近くをぶらぶらしないか」は「時間がある」の結果ではなく、「時間がある」ことをうけて、次のアクションについての相談)

●友人が先月レストランを開いたので、食事にいきました。
⇒我有一個朋友上個月開了一家餐廳,(所以)我去那裡吃飯了。
(「食事に行った」のは「友人が店を開いた」から。ただ、連動文として処理するのも有り)
●先月店を開いたので、よかったら遊びにおいでよ。
⇒我上個月開了一家餐廳,有空的話過來玩玩。
(「遊びにおいでよ」と誘ったのは「私のレストラン開店」の生んだ結果ではなく、「レストラン開店した」ことを理由に、相手に「遊びにくる」アクションを起こしてほしい)

●明日の検診を忘れたので、レッスンの日程を変更できますか。
⇒我忘了明天要健檢,可以變更上課時間嗎?
(「日程変更をしたい」は「検診を忘れた」の生んだ結果ではなく、「検診を忘れた」ことをうけ、相手に「日程変更をする」相談をしたい。弁明などの気持ちがあってやんわり伝えたいときは、「所以」を使っても可)

以上のように説明をしたので、お分かりいただけましたか?
って、中国語でどういうの?わたしなら、「以上是我的說明,你看懂了嗎?」といいます。



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コメント (1)
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