
⦅沙羅の木は、木肌に光沢があるところから、仏教で釈迦入滅時の伝説とともに聖樹とされる、インド産の(沙羅双樹)に間違えられたことに由来する名といわれる。⦆
その花を見に行った。
夏椿の花。 ひめしゃら。 沙羅の花。

この花な何故か物語めく不思議な感情のわく花である。
私には一言で語れぬ、これと言った想い出も無いけれど、いつも特別な花に見える。
☆ 玉の夜を重ねて沙羅の蕾かな 倉田紘文

ここのお庭には高い木ならメートル10を超すのもある。
☆ 葉の色に白は淋しき夏椿 高木晴子

朝、咲けば夕には散る夏椿。
広い庭のおちこちで散っている。
☆ うちしきてあしたの沙羅のよごれなし 長谷川素逝

この庭のご亭主の言う。
10年を過ぎても木の成長が遅い。
その中の一本の木。
☆ 天に沙羅地に沙羅落下寂光土 中村芳子


上の花と下の花。
二種類あって、手の平を開いたようなのと、こんもりとした花。
どっちの花にも、ぎざぎざがある。
☆ 沙羅の花捨身の落下花惜しみなし 石田波郷
☆ 沙羅の花夫を忘るるひと日あり 石田あきこ子
夏椿を詠んだ句は降る星のごとくに多くある。
先人の名句を載せた。
こんな沙羅の花に接して詠んだ句らしい写真と⁉
ゆっくりと作句をしよう。
子供に判るような句を追々と。

四国八十八夜ヶ所 結願寺へ、車で後5分もあればたどり着く食事処の庭園にある、夏椿である。

心ゆくまで夏椿浄土を満喫した。