前の日に餌をやりに行った夫が
「おい、ナナメがおるようだ」と言う。
聞くと、顔にホクロがあり、隣の塀からじっとこっちを見ていた。声をかけたが、トラを見てどこかへ行ってしまった。あれはナナメに違いがないと言う。
ナナメが消えてから三か月あまり。ずっと心配をしていた。
こころ無い人に、、、。猫どうしが喧嘩をして、もしかしたら、、、と悪い想像ばかりをしていた。
☆ あきらかに恋をしてゐる猫のかほ 櫂
きじ猫のトラの為に、それと、トラが子供を連れているから、それらの為に夫はせっせと餌を運んでいた。いつもナナメはどうなったのだろうと会話をし心配をしていた。
それが三か月ぶりにナナメに似た猫を見たと言う。
そして昨日、一緒に向うの家に行く。
「ナナメ~、ナナメー、-」と何度か呼んでみる。
おい、後ろ、後ろ、、、、と夫が言う。何か気配を感じていたが「ナナメー」と呼んでいると「ニャー ナニヤー ママサンー」と言う声が。
さっきから「ニャーニャー」と言っていたのはトラと思っていたのは、傍まで来ていたナナメだったのだ。
☆ 猫の子暴れん坊と冬ごもり 櫂
手を差し伸べると頭を寄せてくる。何度も何度も「ナナメ、ナナメ」と声をかける。喉をなでるとゴロゴロと、、、。
私から離れて、部屋に入り、やがていつものように、二階へ上がって行く。家中を一巡をして満足をしたようだ。
餌には見向きもせず、トラを追っかけて二匹とも唸りながら去って行った。勢力争いをしているらしい。どっちが勝ても負けても、困った困った。
大事にしてくれる家を見つけたのか。お腹が大きくなっていたからどこかで出産をしたらしい。小さい小さい猫は夫も見ている。
最後まで責任のもてない私達。
「ナナメ、連れて行けないでごめんね」と頭を撫ぜながら聞かせた言葉を理解しているらしい。涙腺が緩んだけれど、やはり無責任だな!
🍏 三月ぶり猫戻りくる秋黴雨
久々に逢えた。私の呼ぶ声に応えて、我が家へ来たナナメ。嬉しかった生きていた。ナナメは強い、どこかで野良らしく生き抜いているようだ。