老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

大晦日

2016-12-31 15:53:53 | 俳句
       

正真正銘の冬晴れ。
我が家から見える山。

色々なことがあった一年であった。
「災い転じて福となす」
夫婦して心筋梗塞の手術を受けた。
かかりつけの医師による、見立てで紹介状を持ちそれぞれの病院へ。
私は検査入院であったが、そのまま病院に止め置かれ、即刻の手術となった。
家に帰っても、いつ救急車で運ばれて来てもおかしくない心臓の状態だった。
知らないとは云え、二週間くらい前には 伊吹島へ行き、坂道を他の人は足でもって登ったけれど、私は暑かったから、熱中症を心配して島タクシーのお世話になった。
島は医院も無し。無理をすればすんでのところ、降りる途中にあった ヘリポート の世話になるところであった。
元気な人が三十~四十分 汗だくだく、心臓ぱくぱくと食事処に着いたのだったから。
運が良かったとしか今は考えられない。

夫の自転車による事故。
半年もかかってまだ本調子ではないが。

とりあえず、夫婦で正月を迎えることができ万々歳である。
贅沢もできぬ、旅行もちょと不安。
しかし、幸せを感じる心があるから、幸せなのだ。

来年も冬晴れの空を元気で見たい。
見る。!

    💐    果樹園の梯子を仕舞ひ年納

    💐    果樹園に動く影ある小晦日

    💐    大年の閑かに山に没る日かな
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一日早いけれどお世話になりました

2016-12-30 16:36:24 | 俳句
  

早やかった。
一年の過ぎるのが。
夫が二回、私が二回、同じ心臓の手術で入院をした。
来年は夫は何回か、検査と手術があると担当の医師から告げられている。
私も検査の入院が控えている。
生きて、人さまの世話にならず、楽しい毎日がおくれるようお互いに励ましあっている。

葉は枯れているけれど、この美しい色を残している 紫陽花。
山の寺などで咲残っている紫陽花を良く見みかけるけれど、こんなに綺麗な色で年を越そうとしているのを見たのは初めて。

     

「しりとり俳句 」から
しりとり俳句に参加しておられる皆さんお世話になりました。
楽しかった。

    
    💐    類想を恐れてゐたる竃猫    ラスカル

    💐    年暮るる月並類想句を残し    むめこ

このような句をはからずも繋ぎました。類想、類句から遠いと思う句を選びました。
勉強不足の私が独断と偏見で選びました。お許しくださいな。

    💐    霜柱踏んで流火の墓参り    猫髭     

    💐    狐火を見ながら酌める初しぼり    猫髭

    💐    野の果てに動くかに見ゆ狐の火    ミミ

    💐    清掃車今ごろ来たか小春空    カツオ

    💐    歩行器のかたんかたんと冬たんぽぽ    ラスカル

    💐    寄鍋の具のそれぞれにある戦後    涼

    💐    炉話を聞いておしゃまな子に育つ    今村征一

    💐    木枯しや星の匂ひを連れて来し    樹里

    💐    地震の地に働く重機山眠る    しぐれ

    💐    集落の限界間近里神楽    杜人

    💐    神棚の背中を拝む白障子    らっこ

    💐    神殿の神座整へ神迎    ヘェアウエイ

    💐    数え日の後ろ映して美容院    菊子

    💐    ペンギンはいつでもどこでも冬ぬくし    兎波

    💐    実は僕猫年でした玉子酒    かげお

    💐    冬霞酒呑童子の吐息かと    登美子

    💐    半分は父の温みの懐炉かな    ぴのこ

    💐    無くて七癖よく首回すちゃんちゃんこ    よひら

あくまでお遊びのしりとり句会です。
取り落とした方々すみません。
来年もよろしくお願申し上げます。
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鬼柚子でマーマレード

2016-12-29 10:02:53 | 俳句
       

鬼柚子 獅子柚子
普通の柚子に比べ大きさは6~7倍である。直径が15センチはあるだろう。
香りの方は大きい割にあまり無い。
この柚子を使って、マーマレードを作った。
夏蜜柑のマーマレードを昔は良く作ったけれど、最近は夏蜜柑が手に入らなくなった。
夏蜜柑を植えていた家も甘い蜜柑にとって変わられて、見かけることも無くなってしまった。

       

極、最近まで鬼柚子のことは知らなかった。
牧場の柵の横に生っている、まだ青い蜜柑を見た時はこれ何?が正直な気持ちであった。
まだ青い実である。調べて多分、鬼柚子、獅子のようにでこぼことした怖ろしいような凸凹の顔に獅子柚子に違いないと確信をした。

      

牧場?で飼われているお馬ちゃんを見に行って、この木に出会ったのだ。
もう、青い柚子も熟れていることだろうと、お馬ちゃんに会うのも楽しみに牧場に行った。
大きな実が沢山、黄色く熟れていた。


この鬼柚子が手に入ったので、ストーブでジャムすなわちマーマレードを作った。
林檎のジャムは良く作るのだけれど、蜜柑のマーマレード作りは久しぶり。
美味しく上手に出来た。


     💌    ストーブのジャムを味見の掌

     💌    人を待つスートブに湯のたぎりある

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 パートⅡ  🐚 高橋順子さんの詩 

2016-12-28 17:23:13 | 俳句
      🐚  「巻貝」     高橋順子

    海と陸のさかいにすむ巻貝は
    疑問符がまるまったような形をしている
    疑問符は幾世代かかってもほどけない
    巻貝が砂にかくれると
    海峡は巨大な渦を巻く

今日も 高橋順子の詩を一編、読んだ。
高橋順子氏に興味をいだいたのは、自分が所属している結社の主宰と、4ヶ月前くらいに句会を開いた記事を読んだことから。
それまで、勉強不足の私は彼女が優れた詩人で、俳人であることを知らなかった。

数々の詩集で数々の賞を総なめにしている詩人であるらしい。
亡くなった作家「車谷長吉」の名前は知っていて、彼が彼女のご主人であったことも遅まきながら知った次第。
世の中は立派な人が沢山いて、井の中の蛙であるところの私はこのまま田舎の古井戸で朽ちてゆくのである。

それを嘆いているのではない。
少し淋しいだけ。
ブログを書いてその日がすぎて、今日も何ごともなく一日を終わりました、と感謝している市井の一人でいいじゃないか。

評論家ならこの詩に勿体ない言葉をつけて、彼女の精神構造がどのような時期に作った詩であるとか、背景にある思想は等々と小難しい理屈をつけて評論をする。

巻貝を口に出して読む。
俳句と違ってリズムが悪い。
しかし私を深い、答の出ない疑問の渦の中に引きずり込む。
そして、今日のこの時間、私を青いくさい少女に引き戻してゆく。
順子さん 有り難う と云う。
久しぶりに、生きている実感と考える時間を与えていただいて。

        

アフリカ系のお面。
先だって 川島猛 美術館に行った時、川島猛氏が収集をした アフリカ系の色々の民具やら古い祭祀に使用をする、小物を飾っていた。
この面の前に佇むと面が話をしかけてくる感じがした。
面の前から足が離れられないのである。
私はひょとして遠い遠い祖先がアフリカ系かも、親しく懐かしく、そんな思いがした。
日本には能狂言に使う能面。
息ぶいているのはその能面と同じように、何か心をとらえ、訴えかけるものがある。

なぜか、この詩を読むうちに、この面とコラボレーションをしたのだ。

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高橋。。。。。の詩

2016-12-27 13:41:40 | 俳句


          「山笑う」        高橋順子

    「山眠る」
    「山笑う」
    は俳句の季語である
    それぞれ冬そして春
    そして眠りから覚めて笑い出すのを見て歩いた
    山は斑雪の光を日に返していた
    山が薄目をあけて
    かゆそうにしているところも
    山が体毛をゆさゆさゆすっているのも見た
    「山笑う中に鈴の音まじりけり」
    これはわたしの駄句である
    山が笑をおさめたころ
    わたしどもは四国八十八ヶ所巡礼を結願して
    大窪寺に最後の御札を納めた
    杖は寺に納めずに家まで持ち帰った
    あの世に行くときに使うつもりだが、そのときは
    眠る川
    笑う川
    を一人たのしく越えてゆくのだ
    「川眠る中を艪のない舟はゆく」

写真の山の奧に結願の大窪寺がある。
高橋順子の詩を今日は、たまたま目にした。
詩 はよく理解できない。
この詩にかぎれば、良く理解のできる詩である。

詩人の高橋は 俳句 も作る。
優れた俳人でもあると思っている。
才能のあるということは、発想が柔軟であるということ。羨ましいな。

     💌   この私 この忙しき 極月に 詩を読むでいる 愚か者なる

俳句を作っていたのに字が余って三十一文字になってしまった。
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