老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

王越街道の枝垂桜

2023-03-31 12:33:45 | 老人日記
     

王越街道は、高松市西部から坂出市にかけて、五色台を回り込むように海岸線を走るルートの県道である。
目の前には穏やかな瀬戸内の海が広がりドライブコースとしては最も好きである。
(平成30年7月豪雨(西日本豪雨)による土砂崩れのため、長い間通行止めが続いていた。)

    

久しぶりに連れ合いに走ってもらった。

               

途中、眼前を過ぎったのは枝垂れ桜。

「綺麗な枝垂れがあったから車を止めて」
と言う。
止まらずに走る。
「来年、生きていたら観に連れて来て」と言うと、
車をユウーターンをしてくれた。
これぞ「殺し文句」、、、良く利いた。

                     

ここ大越地区は過疎化で小学校が統合されたりしている。
そして、思いがけずも、隠れて見えなかった古い公民館の庭にあったのがこの見事な枝垂桜。
公民館の二階の屋根まで、とどく高さ。



    


少し散りかけていた。
長い枝先が風に揺らぐさまは、何んとも表現ができぬ。

    

花の下に潜り込んだ。
浮世を忘れて深海の中にいる心地になる。
耳もとで風がささやく。

反対側の庭には、車で走っていた私の眼を惹いた枝垂桜と古木の花。
この花たちのおかげで、見事な枝垂桜に出会えた。

           

枝垂れの枝先は、かって子供たちが登っていたジャングルジムを覆っている。
藤棚は廃れ、ぶらんこは壊れている。 

こんな場所があったなんて、何のご褒美かな。。。。


                                   

向こうの山は五色台。五つの峰からなる山だ。
その内の一つ、白峰には崇徳上皇をお祀りする白峰神社がある。
その昔、西行法師が上皇を慕って参拝をした、白峰御陵もある。雲居御所と呼ばれ
数々の歌や俳句にも詠まれている。


    🌺      屋根の無き竜宮城や花おぼろ

    ✿      花の時季も静謐なれる雲居御所

    ✿      陵の花散る昼も谿暗し
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枝垂桜

2023-03-28 21:05:11 | 老人日記
        



今年も、この枝垂桜を見ることができた。
春になりコロナもおさまりかけたから、鳴門まで食事に。
道中でこの桜に逢った。
木の周辺が去年に比べ美しく整備されていた。


桜を毎年、見て歩くが。今年は足が痛くて、頭の中にあそこ、ここの桜が心に浮かぶが、想い出に浸るばかり。

      

今年はもう花が散りかけていた。
枝垂れた桜の枝が風に揺れる。影が綺麗だった。

    
何十年か前、最近お亡くなりになった、 黒田杏子さんが、日本中の花行脚をしていた。
その中で高知の山深い場所の、桜の古木を巡った文章があった。

高知なら、私も行けるかな?と土佐奥の険しい道路をたどって見に行ったことがあった。

そんな事を想い出した今日だった。

山家のご主人が優しく、寒いからと囲炉裏を焚いている座敷に招いてくださった。          

     🌸    まああがり囲炉裏のそばで花みなせ

開いた障子の向こうには。満開の桜の古木。借景は幾重にも連なる四国山脈。

楽しい貴重な想い出だ。


     🌸    古井戸へ花舞ひ落ちてゆきにけり


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そら豆の花

2023-03-25 22:08:49 | 老人日記
     

空豆の花が咲いていた。
黒い眼のような斑点がある。
昔は畔道によく植えていたように思う記憶がある。
大きな葉を指の先でこすってこの葉っぱを風船のようにして、膨らませて遊んだ。
私のみの遊びだったのかしら。

空豆は実になる時、さやが空へ向かって伸びることから空豆と言うそうだ。

             

山桜が咲いていた。
楽しい春の山も、ほんの少しの間。

写真の下の部分の緑の畝に空豆が植えられている。
若い時は勤めに、退職をすると農業に、、、空豆畑の住人も。

我が家に周囲の住人は、健康で年金以外に収入のある悠々自適の方々ばかり。

私ものんびりと、この地域で老後を過ごしたかったが、不健康な我々夫婦は病院に近いマンションに越してしまった。

山桜が咲いた、早く見に帰らなくてはと夫に急かされた。

そして、久しぶりに見た、空豆の花。


     🎶     空豆の花や素顔で暮らす日々

     🎶     豆の花貸し菜園に人の声   
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この花の名前は

2023-03-24 22:51:07 | 老人日記
       

     

父祖のお墓のそばに咲いていた花。

枯葉を押し分けて濃い紫の花がさいていた。
ほんの10センチくらいの大きさ。
葉が細長い。

家に帰り、植物図鑑で調べるけれど、濃い紫で下むきに、、ラッパのような花。
良く似た花はある。
もう少しうす紫だったり、葉が丸く大きかったり。

私が子供の頃にはこの辺りに春蘭が数株あった。
「じいさんばあさん」と呼んでいた。
最近はその春蘭は見かけなくなった。

その春蘭と葉は良く似ている。

腰を落として花を撮ったが、さてさて名前は判らない。

しかし、母は墓地にこんな可愛い花を咲かせいる。
大きな山桜が三部くらい咲いていた。


                 

父祖の墓地は小高い丘というより50メートルくらいの山の頂近くにある。
下界には、我が街が見える。
眠る場所としては最高の墓所だ。

が、、しかし墓所へ行くには山?を登らなくてはならぬ。

息子に抱きかかえられるように山径を登った。


   🏘     負た子に支へられ行く花の径

   ⚘     春蘭や吾が生立ちを子に聞かす







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本楽寺

2023-03-21 12:00:41 | 老人日記

           

息子に抱きかかれように石段を登る。

春のお彼岸で父祖の墓参を終えての帰り。

      

四国三郎、吉野川の向こう側の街にある、庭が美しいお寺へ連れて行ってくれた。

     🌳     太郎次郎河の名涼し三郎も

         昔、故郷の大河を詠んだ


     

お寺の境内から眼下に見える吉野川。

    
   

国道192号線が走っている。

学校へ通った山波と家並が見える。

司馬遼太郎が唯一褒めた阿波の町、「うだつの町」にあった高校で学んだ。
この町にある、昨夜のテレビ、西田敏行の古い映画「虹をつかむ」のロケで使われた古い映画館の近くの和食屋で昼食をとったばかり、吉野川の橋を渡り、息子が連れて来てくれたのが「本楽寺」と言う、高台にある、みはらしの良いお寺。

       

寺の下を走る徳島本線を、アンパンマン列車が通過をした。



境内には、阿讃山脈と吉野川を借景に亀石、鶴石なる名前を付けた石を配置し、雄大に表現した「神泉蓬莱の庭」と銘うつ枯山水の庭がある。

こんなに美しい庭がほんに間近にあるとは知らなかった。

   

本楽寺は全て一枚の阿波の青石の岩盤で出来ている。
その岩盤をを利用し、お堂は懸作り。

      🌳    岩走る垂水一番遍路来る


    

精進料理を給しているお茶室も、岩盤の上に建っている。

    
     

馬酔木の花があちこちに咲いている。
植えたのではなく、種が飛んで増えていったらしい。

    🌳    石佛の簪や揺るる花馬酔木

この茶室へは急峻(?)な岩盤を登らなくてはならない。
息子に抱きかかえられてやっと登った。
(そこまでして登らなくても。興味が有れば、我慢ができない悪い癖)

        

石仏が至る所に配置されている。
馬酔木、沈丁花の花。

     

茶室のお軸は鶴と亀。

枯山水の庭の亀石、鶴石の関連か?

息子は何年間か茶道のお稽古をしている。

お茶をいただきかったのだろう。


帰り道
「親孝行をしてくれたね。。。」
「又,来ようね」
なんて、、、春の阿波から讃岐の山越え。

   🌳   母と子の同じ七癖山笑ふ


    






       


    


 
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