永遠に兄は恋人秋の薔薇
俳句カプセルに現代俳句アンソロジーとしてとりあげてもらった。
色気の無い私には、母恋の句はあっても恋の句は無い。
昨日の海辺の公園にあった、林檎もどきの実が成っていた木。
実はニセンチくらいと小さいが、形は林檎にそっくりである。
今朝、布団の中でうつらうつらとラジオを聞いていると、今日は「初恋の日」ですと言っている。
10月30日は、島崎藤村が1896年のこの日、「文学界」に(こひぐさ)の一編として初恋の詩を発表したことから、藤村ゆかりの長野県小諸市が設定したらしい。
文学少女だった、私は、最もポピュラーな詩である、(初恋)は,今でもすらすらと暗唱をすることができる。,
まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき
前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり
やさしき白き手をのべて 林檎をわれにあたえしは
薄紅の秋の実に 人こひ初めしはじめなり
この花も昨日、海辺の公園に咲いていた、月見草まがいの黄色い花。よいまち草と言えば、竹久夢二が浮かぶ。この花も交配を重ね進化した、よいまち草の一種だと思っても差し支えないでしょう?
夢二も恋多き画家で詩人であった。
私が所属する結社の主宰が主幹事になって、「恋の句」を全国的に、一年に二回、募集をしている。
その中から、私の好きな句を記す。
恋の日やともに白髪となりてをり 矢野京子
初恋の人を検索冬ごもり 藤岡美恵子
蜜豆にきのうの恋がかくれんぼ 小島寿々
ハンカチに昔の恋の残りゐる 和田康
ほこほこの鯛焼き一つほどの恋 北側松太
唇の好きと動けり夏の海 川辺酸模
どの句も、皆さんの若い日に経験のある心をよぎった、一瞬を詠んでいる。
恋で終わって、愛に発展する間もなかった、うたかたの如きかな。
どろどろとした、傷になる前に消えたはかない想いのようである。
花嫁のブーケに秋の蝶々かな