大阪水曜ほっと集談会一世です。
毎年師走になると、ベートーヴェンの第九交響曲が演奏されますね。
大阪でも一万人の第九が有名ですね。
私は、10代から~20代にかけて毎年この第九交響曲の歓喜のテーマを歌っていました。
今は、歌を忘れたカナリア状態ですが。
どちらかと言うとカラスかな?(笑)
難解なドイツ語には、とても苦労しましたが当時はまだ記憶力が良かった一世です。
第3楽章の瞑想的な旋律をコンサート会場のひな壇で聴いているとまるで夢の中にいるような感覚でした。
その静寂がいきなり第4楽章で破られます。
バリトンのソリストによる力強い歌声が会場内に響き渡るのです。
歌い終わった後は、200人すべての団員と抱擁したいぐらいの感動に包まれます。
第九には、そのような言葉にできない共感が生まれ、毎年歌っても飽きることが有りません。
歓喜のテーマと呼ばれるこの詩はシラーの歓喜に寄すからの抜粋と言われています。
そこには、
分け隔てたものを再び結びつける
すべての人間は兄弟となると書かれています。
現代社会の分断を予見していたようなインスピレーションですね。
私なども10代は、漠然と音楽の道に進みたいと思ったこともありましたが、到底プロになれるとは思いませんでした。
森田先生の形外会の記録に、当時の私と同じように商業大学を辞めて音楽の道に進みたいという学生の事が記載されています。
森田先生は、その学生に対してじっくりとまず生活の安定を説かれています。
そのままでは、普通のお説教なのですが、さらに先生はこう述べられています。
君は簿記をやりながら音楽もやればよいのです。
まだその上に空想もし、居眠りもすればよい。
多々ますます弁ずるのです。
私は、森田先生のあらゆる可能性を否定しない、しなやかな感性とあたたかい眼差しが大好きです。
2020・12・4 一世