大阪水曜ほっと集談会一世です。
コロナ禍で若者の自殺が増えていると報じられている。
特に若い女性の自殺率が顕著であるとも言われている。
非正規な労働環境や子育て、家族問題など様々な要因が挙げられている。
還暦前の私にも、信じられないが、初々しい二十歳の頃があった。
日々嫌なことがあってもそこに行けば自分を受け入れてくれる場所、それが私にとっては集談会であった。
そして、時には一泊学習会で寝食を共にした貴重な仲間との出会いや語らいがあった。
当時の私がもしそういう環境に恵まれなかったなら今頃どうなっていたのだろう。
私が10代の頃に、二十歳の原点というタイトルの書がベストセラーになった。
ひとりの女子大学生の心の軌跡を描いたものだ。
彼女は残念ながら、当時の学園紛争の嵐の中で思想と恋愛の悩みからその短い生涯を自ら閉じた。
「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」
この言葉は当時の私の心と重なり、深い衝撃を受けた。
彼女と私の人生を二分したものは何であったのか?
彼女が生きた時代は、発見会の発足の少し前になる。
もし彼女が、自助グループに出会い自分と同じ悩みを持つ仲間と出会っていたとしたら?
それは、私の勝手な感傷に過ぎない。
どうか、ひとりでも多くの若者が、安心して参加が出来る健全な自助グループで救われてほしい。
集談会に来られた若者に伝えたいメッセージがある。
あなたは、かつての私です。
あなたに出会えて本当に良かった。
心からそう思う。
些細なことに傷つき、何度も落ち込みながら必死で生きている今のあなたが大好きです。
二十歳の頃の私はひょろりと痩せて、やたら潔癖で歯磨きを何度もして夢ばかり見ていた。
あの頃が私の原点かもしれない!
決してあの頃に戻りたいとは思わない。
あの頃より、誤魔化すことが上手になった今を成長とは決して思わない。
どこか、おどおどして自信が無くて未来が描けないそのような若者が大好きな私です。
2021・10・12 一世
※参考文献 高野悦子氏著・二十歳の原点・新潮社