大阪水曜ほっと集談会一世です。
本日からウオーキングとブログを再開した私です。
しばらくの間、景色が心に入らず、砂を噛んでいるように味覚が麻痺した日々でした。
このような時は、敢えて何もしないことが大切ですね。
これも森田療法に習い自然現象と受け止めているうちに、徐々に感覚が戻ってきました。
今は金木犀の香りに心が癒されます。
さて、このような時には、難しい理論書や小説も読む気が起こらず、テレビも見たくはありません。
今回は、柴田トヨさんの「くじけないで」という詩集を読んでいました。
柴田トヨさんですが、90歳で詩作を始められたそうです。
先日のノーベル物理学賞受賞者の真鍋先生も90歳ですが、すばらしいですね。
コツコツと新聞に投稿し続け、初詩集「くじけないで」が200万部を超えるベストセラーになりました。
そして詩作は101歳の天寿を全うされるまで続きました。
その作品には昭和へのノスタルジーがあふれ、家族への優しさと慈しみに満ちた言葉と共に戦争やいじめなどの世相に斬りこんだ鋭い感性が光ります。
お二人に共通しているのは、絶えざる好奇心と感謝の心を併せ持っておられるところです。
新型コロナウイルスが沈静化したことは良いことですが、経済活動が再開したことで再び効率を求め、心を置き去りにしながら成長や前進が求められる有り様に何かしら違和感を感じている私です。
私たちは、コロナウイルス感染症からいったい何を学んだのでしょうか?
そのようなギスギスとした世の中に柴田トヨさんは、こう静かに語りかけます。
「やさしさのインフルエンザが流行しないかしら」
「思いやりの症状がまんえんすればいい」
皆様にとって毎月の集談会が、優しさと思いやりの感染源になりますように!
2021・10・29 一世
※参照・柴田トヨ氏著・詩集くじけないで・飛鳥新社より