Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

喉頭全摘

2017-01-31 | 想い・雑感
問診票の既往歴の欄に
喉頭全摘術後
と書かれていた

喉頭全摘の際には
声帯も摘出されてしまうので
本来の声を失ってしまう

そこで
胃に飲み込んだ空気を出して
食道の振動で声を出す
食道発声を行う場合が多い

ただし
一回の発生で
短いセンテンスしか発声できないことが多いので
ゆっくり時間をかけてお話ししなければならない

そのつもりで
患者さんを診察室へ招き入れたところ
実にスムーズに声を出される

お聞きすると
日本ではまだ認知度の低い
シャント発声という方法で声を出されているとのこと

気管と食道との間を
弁の付いたチューブでつなぎ
前頸部にある気管孔を指で塞ぎ
肺からの空気を食道に送り込み
食道壁を振動させて発声しているとのこと

不勉強でこの方法を知らなかったが
コミュニケーションに
全く不都合を感じないその発声に驚いた

この方法のことを知っていれば
声を失う絶望感を感じる度合いが減り
喉頭がんの手術に対して
前向きに望める患者さんも
おられるのではないだろうか