Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

最後の苦痛に対する鎮静

2013-06-19 | 緩和医療
 緩和ケアという視点からも患者さんを看てくれる医療機関では、様々な手段で苦痛を取り除く努力をしてくれます。それでも死にゆく過程が安逸であることは少ないと思います。なんせ、生命を維持する能力がどんどん失われた肉体が感じる苦痛を取り除く最もよい方法は、欠落していく生命維持能力を取り戻すことです。しかしそれができたら、人は死ななくなりますよね。
 
 考えられる手段を講じた上で、取り除けない苦痛というのがあります。最終的にそれを取り除くには、ご本人がその苦痛を感じないようにする、つまり意識をとってあげるしかなくなってしまいます。その際に使用する鎮静剤は、多く使いすぎると呼吸を抑制してしまうので、少ない量から始めてちょうど寝入ったくらいの状態に調節するように持続投与しています。ですから、投与をやめれば数分から10分くらいで再び意識が戻ります。

 基本的には、鎮静剤を使用することによって命を縮めることは無いと思います。たび立つ過程で、苦しみを取り除くひとつの手段として使用する場合があるだけで、時間的経過を変化させることはないということです。

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