Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

酸素が足りない!

2006-06-25 | 医療・病気・いのち
 鼻までの細いチューブがつながっている小さな台車を引っ張りながら、ゆっくりと一歩一歩を確かめるように歩いている人を見かけることがある。痩せた体を、重く引きずるように進んでいく。携帯用の高圧ボンベからの酸素を吸いながらの生活が必要な、呼吸機能障害の人だ。

 人は体に栄養を取り入れるとともに、十分な酸素を細胞の一つ一つに送り込むことによって生命を維持している。その酸素を取り入れる機能が落ちると言うことは、体にとって重大な事件だ。不足分の酸素を取り入れるために、酸素吸入をしつつ生活する必要が出てくる。

 血液中に取り込まれる酸素が不足してくると、それを補おうと呼吸努力をするようになるために、正常な人より逆に多くのエネルギーや酸素が必要となってしまう。また、心臓も懸命に血液を送り届けようとがんばり負担がかかってくるので、心機能まで落ちて心不全の状態に移行する。

 言うなれば、慢性的な窒息状態である。呼吸機能障害はいろいろな原因で起こってくるが、喫煙もその原因の一つと言われる。呼吸不全の最後はつらい。正常ならば日常生活でほとんど気にかけない呼吸だが、呼吸機能が強く障害されれば、一日中呼吸努力を続けることとなる。

 一旦落ちた呼吸機能を改善させることは難しい場合がほとんど。人生の最後を呼吸努力とともに過ごすような危険性を少しでも減らすために、禁煙などの努力はした方がよいだろう。

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