
私が満月だと思っていた6月16日(木)に夕方からバリ島の最南端にあるウルワツ寺院にケチャダンスを見に行くことにした。私が思っていた満月は16日なんだけど、バリの人々は1日早い15日(水)を満月だと言っていた。私はバリ人に「ねえ、間違ってるよ。16日が満月だよ。」と何度も訂正してみたのだが、ダイビングショップの日本人奥様もバリのお店の人もインドネシア人のAも皆さん、15日が満月だと言い張る・・・おかしい・・・後でわかったのだが、日本(含む西洋式の太陽を中心とした暦)と、ヒンドゥーの暦、更にはバリの暦があって、何がなんだかわからないのです。ヒンドゥー式は、1年が210日です。3種類のカレンダーが最低限存在していて、確か他にもあったような・・・。物売りが「バリ式カレンダーお薦めですよ。」としつこく言ってくるので、拒絶反応がおきて知りたくなくなりましたが。。。ということで、現地の人と私の満月は1日ずれていました。見た目は同じです。

ウルワツ寺院の入場料は他のどの寺院よりもお安く(確か7500・・・安くなったそうです)、寺院の人々も親切で観光なれしているせいか?とても的確にテキパキと誘導や応対をしてくれていました。私が着いたのが6時少し前で、もうすでにケチャの会場は人々で埋まっていました。駐車場のところで入場料を払って、更に奥に進んでいくと、最南端の断崖絶壁から海を見下ろせるポイントがあります。そこで、皆さん写真を撮っています。本当なら、夕陽が美しい(ここは夕陽が見れる場所)はずでした。が・・・曇ったり、雨だったりして半端な夕暮れでした。お猿さんが観光客のサロン(寺院で腰にまきつける布)をひっぱったり、メガネを欲しがったりして、いたずらをしています。そしてケチャの会場の手前で改めて、ケチャの入場料70,000ルピーを払います。いくらだったか・・・忘れました。私には日本語の説明書をくれました。満席に見える会場にも、ケチャのスタッフが所々に座っていて、遅れてきた私を正面の真ん中辺のいい席にいたスタッフが「おいで!」と手招きしてくれて、そこに座りました。
ケチャはお猿さんという意味らしく、ケチャケチャケチャというのは、お猿さんの鳴き声のようにも聞こえます。どこも村単位でやっているので、この人たちもこの辺の村の人なんだと思います。仕事より宗教行事、お祭り、村の行事を優先するバリの人々としては、そこで生まれ育った場合、避けられない運命というか使命のようなものでもあるのでしょう。男性陣の生声での詠唱が始まり、どんどん日は沈み、満月が現れる・・・という予想でしたが、曇り時々雨で、満月は見られずじまいのウルワツでした。
トランス状態にダンサーがなっていく、トランス=正しいケチャと思っていたところ・・・映像やTVで観るより、意外と皆さん、普通で周囲に気配りをしつつ、歌って、踊っているではないですか?つまり、トランス状態の人を見つけるほうが難しかったのですが。。。インドに伝わるラーマ・ヤーナ物語と合体させて、ケチャダンスだけでなく、美しい女性陣も出てきますし、バリ舞踊も楽しめます。そして、正義の味方みたいな役割で白い猿(バリでは縁起がいいらしい)がコミカルでもあり、運動能力も高くて、大活躍の会場でした。白い猿は私の隣にも座って演技をしたり、身軽でした。
神聖なる宗教がかった踊りなのかと思っていたら、完全なるエンターテイメントのショーのようで、とても楽しめて、あ~楽しかったと言いながら帰りました。後日、バリ舞踊を習っている日本人男性と現地在住日本人の方にウルワツのケチャは、もうエンターテイメントになってしまって、質が落ちたと言われましたが、私はそれでもいいと思いました。天気がよければ、更に素敵だったでしょう。

ウルワツ寺院は参拝はしていませんが、というよりここは異教徒は参拝できないそうで・・・ケチャだけのために行ったとはいえ、ヒンズー寺院をめぐるために事前に街でサッシェ(腰紐)とサロン(腰布)を購入しました。二つで700円程度の安いものです。これはいちいち寺院で借りるより買った方が良いです。ヒンズー寺院では肌を露出してはいけないので、長いスカートかレギンス等を履いていれば、腰紐だけでいいのです。ちなみにバリではどこでもビーサンが普通ですが、ここもビーサンが最適です。水溜りや土の場所もあり、駐車場までの帰り道は暗くて足元も良く見えませんから。
ウルワツは毎日、たくさんの観光客が訪れますので、しつこい勧誘や物売りの人にも会いませんし、入場料も他の有名寺院の半額になっていたりして、かなりあっぱれです。どこの寺院も外国人を見たら、金づるだと思え

ではなく、神様がいるのであれば、余裕ある対応をして欲しいものです。こうやって、値段を下げれば下げるほど、人々は気軽に来てくれて、威張った対応のお寺の人(寺には僧侶なのか?威張ったおじいさんが多いので)も見かけませんでした。ブサキでは威張っているのか?怒鳴っている僧侶のようなおじいさんを見かけた。インドネシア人は怒らない民族のはずなのに・・・。やはりブサキは

どこが、格が高いのだろうか。場所だけだと思う。