ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『新参者』2010

2019-07-05 12:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY







 
2010年の春シーズン、TBS系列の日曜夜9時「日曜劇場」枠で全10話が放映された刑事ドラマ。原作は東野圭吾さんです。

東京・練馬署から日本橋署に異動したばかりの「新参者」である警部補=加賀恭一郎(阿部 寛)が、人形町で起こった1件の殺人事件の謎を解いていく人情ミステリー。

被害者(原田美枝子)に関わった人物一人一人にスポットを当て、それぞれのドラマを掘り下げることで少しずつ真相に近づいていく、つまり1クールかけて1つの事件を解決させていく構成。

初回は、被害者の生命保険を担当していた営業マン(香川照之)と、やはり彼が保険を担当する煎餅屋の母娘(市原悦子&杏)のドラマが綴られました。

香川さんが見るからに怪しく、状況的に不利な証拠が揃っていながら自分のアリバイを主張しなかったのは、市原さんが末期癌で余命僅かという事実を隠し通す為だった!

いい話なんだけど、ひねくれ者の私は「ほら来たよ、日曜劇場の泣かせパターンが」ってw、どうしても斜めに観ちゃう。それは私が悪いんじゃなくて、日曜劇場の「ふだんの行い」が悪いw

ホントにいつも「泣かせることに必死やな」「そうまでして泣かせたいのかよ?」って、日曜劇場を観るたびに思っちゃう。それは実際に番組スタッフが「視聴者を泣かせること」を第一の目標にしてドラマを創ってるからに他なりません。

いつも書くように、それは本末転倒だろうって私は思うのです。視聴者が泣くのは結果であるべきで、目的にするのは間違ってる。そういう意識でストーリーを語られると「泣かせる方向」で話を進めてるのが途中から見えてくる。要するに先が読めて冷めちゃうワケです。

原作通りのストーリーなんだとしても、ドラマ化するにあたって「より泣けるように」脚色したに決まってますからね。そう断言する根拠は、ふだんの行いですw

ただ、そうして先が読めても、いや、読めるからこそ「安心して泣ける」ドラマを求める視聴者が沢山いるんですよね。そういう創り方に嫌悪感を覚える私みたいなのは、たぶん少数派。だから「文句があるなら観ない」っていう選択肢しか無い。そりゃもう仕方がない。

とは言え、阿部寛さんが演じることで加賀刑事のキャラクターは面白くなってるし、黒木メイサ、向井 理、溝端淳平、泉谷しげる、笹野高史、三浦友和、原田芳雄、紺野まひる、草刈民代、柴本 幸、マイコetc…と、レギュラーキャストだけ列挙してもすこぶる豪華なのは日曜劇場ならでは。1話限りのゲストたちも凄い顔ぶれです。

これだけの面子が揃えば、見え見えの泣かせストーリーでもそれなりに楽しめます。日曜劇場だと知らずに観れば私も泣くかも知れないしw、人形町を舞台にしたユニークさにも免じて、一応これは「素晴らしい」ということにしておきます。

セクシー画像は言わずと知れた黒木メイサさん。倉本聰さんのドラマで初めてお見かけした時、その透明感とミステリアスさにドキドキしたもんだけど、最近は芸能界に染まっちゃったせいか輝きを感じなくなりました。そりゃもちろん綺麗なんだけど……
 
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『警視庁失踪人捜査課』2010

2019-07-05 00:00:08 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2010年の春シーズン、テレビ朝日系列の金曜夜9時枠で全9話が放映された刑事ドラマ。堂場瞬一さんによる警察小説『警視庁失踪課・高城賢吾』シリーズが原作になってます。

毎日約二百人もの人たちが行方不明になってる日本の現状(2010年当時)に対応すべく、警視庁に新設された「失踪人捜査課三方面分室」の刑事たちが活躍します。

自身も娘が失踪した過去を持つ主人公=高城刑事にエロ男爵の沢村一樹、その相棒となる明神刑事に森カンナ、室長に遠藤憲一、同僚刑事に小日向文世、北村有紀哉、黄川田将也、事務員に高畑淳子、捜査一課刑事に宇梶剛士と、なかなかの豪華キャストです。

小学生だった娘が失踪した時、刑事としての判断で生存を諦めてしまった高城は、無事を信じる妻との間に亀裂が生じ、やがて離婚。彼はそれを今も悔やみ続け、常に失踪人の生存を信じて捜索に執念を燃やします。

そんな主人公のドラマを背景にしつつ、基本1話完結で様々な失踪事件を解決していくシリーズで、ほとんど死人が出ない点が従来の刑事ドラマとひと味違います。

でも、そこが殺人事件の刺激に慣れきった大衆には物足りなかったのか、翌年に2時間スペシャルが1本製作されたもののシリーズ化には至りませんでした。

確かに、初回を観るかぎりだと実直すぎて面白味に欠けたのは事実。その割りに『三秒で消えた男』というサブタイトルで、瞬間移動のマジックショーで本当に男が消えちゃう奇抜なシチュエーションが、シリアスな世界観とアンバランスだったようにも思います。

あと、失踪人課は「ハミダシ者ばかり集めたお荷物部署」みたいに言われてるけど、実際は皆さんどう見ても優秀だし、ちゃんと協調性もある刑事さんばかり。『相棒』大ヒットの影響でしょうけど、そんな猫も杓子も「お荷物部署」にしなくたって良さそうなもんです。

実力派の俳優さんで固めつつ、まだ現在ほど売れっ子じゃなかった頃の遠藤憲一さんを刑事部屋のボスに据え、ヒロインとなる明神刑事役にはオーディションで森カンナさんを抜擢する等、キャスティングに創り手の攻めの姿勢も感じられ、もっと面白くなる可能性があっただけに、いまいち弾けきれなかったのは残念。

観て損はない作品と思いますが、毎週観たくなるだけの魅力は、私には感じられませんでした。

セクシーショットはヒロインの森カンナさんと、初回ゲストの国分佐智子さんです。
 
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