ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『監察医 朝顔』#01~#02

2019-07-24 00:00:07 | TVドラマ全般









 
2019年夏シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠でスタートした新ドラマ。このシーズンは本作とテレ朝の『サイン/法医学者 柚木貴志の事件』とで法医学モノの一騎討ちとなりました。

法医学者とは死因がハッキリしない遺体を解剖し、事件性の有無を判別する専門医のことで、警察とは切っても切れない関係。

言わば法医学ドラマは刑事モノと医者モノという二大人気ジャンルを合体させたようなもんですから、ある程度の面白さは保証されてます。

本作の場合、ヒロイン=万木朝顔(上野樹里)の父親(時任三郎)が強行犯係の刑事、そして恋人(風間俊介)がその部下というw、切っても切れないどころか切りようの無い関係。ヒロインは職場でも自宅でもデート先でも刑事と一緒にいるワケです。

気の毒なのは、恋人の父親(しかも自分と身長差25センチはありそうな大男w)とコンビで捜査しなくちゃならない風間俊介くんで、この不思議な関係の凸凹刑事コンビが(私にとっては)最大の見所となってます。

でも、これは決してコメディじゃないんですよね。(コメディなら良かったのに、と私は思う)

そして、標準的な謎解きドラマともかなり様子が違う。謎は解くには解くんだけど、各エピソードの中盤で割りとあっさり答えが出て事件が片付き、後半は2011年の大震災で行方不明になった朝顔の母親(石田ひかり)にまつわるストーリーが語られるという、言わば二部構成になってる。(第1話と第2話を観た限りだとですが)

連ドラではあまり類を見ないやり方で新鮮だし、謎解き一辺倒のドラマにウンザリしてる私としては歓迎すべきこと、の筈なんだけど……

こういうドラマで、現実に起こった事件や災害をネタにするのって、なんかズルいような気がしちゃうんですよね。

あのとき母親を一人にしてしまった罪悪感に苦しみ、未だその現実と向き合えないでいるヒロインと、今でもオフ日には現地に赴き、妻の行方を探し続けてる時任さん。

謎解きドラマにそんな背景、重すぎるし生々しすぎるやろ!って私なんぞは思うんだけど、同じような境遇の遺族が現実に存在されてることを思えば、とても文句は言えない。たとえドラマとしてつまらなかったとしても、口が裂けても正直な感想が言えないワケです。

おそらく、時任さんの地道な捜査でひかりさんの遺体か遺品が発見され、現実と向き合う覚悟を決めたヒロインが、解剖……はもう無理としても法医学の力で、母が亡くなった時の状況(例えば家族を守るために何かしようとしてたとか)を解明する、みたいな泣かせ展開になるだろう(でなければネタにした意味がない)と思うんだけど、それを「あざとい」と感じても口に出しづらいでしょ? それってズルくないですか?っていうことです。

もし、このドラマを観るのをやめたくなったとしても、何だかやめづらいですよねw 観るのをやめる=自分は震災やその犠牲者たちへの想いが薄い、みたいな気がしちゃう。それはやっぱズルいですよ。

3.11を忘れちゃいけない!みたいな創り手のメッセージなのかも知れないけど、その話はもっと別のところ(ドキュメンタリー番組とか)でやろうよ、謎解きドラマはあくまで謎解きを楽しむモノにしとこうよって、今までさんざん謎解きドラマを否定しておきながら矛盾も甚だしいけどw、それが私の正直な感想です。

とても真摯な姿勢で、とても丁寧に創っておられるのはヒシヒシとよく伝わって来るんだけど、それがドラマの面白さに繋がるとは限らない。少なくとも私が連ドラに求めるもの(可笑しみやカタルシス)は、この立派すぎる作品には見当たりません。

時任さん&樹里さん父娘のナチュラルなやりとり、時任さん&風間くんの凸凹コンビぶりは観てて楽しいですから、もうちょっと肩の力を抜いた内容、娯楽に徹したドラマだったら、私はハマったかも知れません。

朝顔が勤める興雲大学法医学教室の主任教授に山口智子、同僚に板尾創路、平岩 紙、中尾明慶、志田未来、朝顔の父と恋人が勤める野毛山警察署強行犯係のメンバーに戸次重幸、三宅弘城、坂ノ上茜etc…といったレギュラーキャスト陣です。
 
コメント (4)
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