『ザ・カゲスター』は1976年4月から同年11月まで、全34話がNET系列の月曜夜7時枠で放映された、東映制作による特撮テレビドラマ。
今年から東映チャンネルに入会し、多種多様な特撮ヒーロー番組を観てきた中で、私はもしかするとコレが一番お気に入りかも知れません。
主役のヒーローが男女のペアで、しかも2人の「影」にそれぞれ魂が乗り移って変身、というより「分身」して活躍する異色の設定。だから、初期にはこんなシーンも観られました。オリジナルと分身の掛け合い。↓
が、なぜか1クールを過ぎた辺りからこういうツーショットが無くなり、普通に「変身」してるように見せる演出になっちゃった。
あと、敵になるのがショッカーみたいな大組織じゃなく、それぞれ独立した犯罪者グループで、改造人間やロボットでなく生身の人間がコスプレしてるだけっていう設定も、1クールを過ぎたところで「サタン帝国」なる大組織が現れ、従来通りの構図にシフトチェンジ。
分身が闘うんじゃ主人公が頑張ってる感じがしないとか、悪党とはいえ生身の人間を強いヒーローが叩きのめすのは後味悪いとか、そういう意見が出るのは理解できるけど、結果的に番組の個性がどんどん奪われ、みんな似たり寄ったりの内容になっちゃうのは残念なこと。これはもう、テレビの宿命だから仕方ないんだけど。
主人公は風村コンツェルンという会社の秘書課に務めるサラリーマン=影夫(立花直樹)と、社長令嬢の鈴子(早川絵美)。アメコミの『スーパーマン』や『バットマン』を彷彿させるこの人物設定も、なぜか2クール目から二人とも小さな釣具屋さんに転職してフツーになっちゃうw
ただ、鈴子の方が影夫より社会的地位が上っていう構図はそのまま残ってて良かったです。ユニークな関係だし、互いに「さん」付けで呼び合う距離感が心地良いんですよね。
そして特撮ヒーロー物でも刑事物でもお馴染みのレジェンド=小林昭二さんが、本作では鈴子にデレデレの屯田警部に扮し、部下の業平刑事(星 純夫)とコンビでコメディーリリーフをご担当。
さらに鈴子の父=風村社長(天草四郎)と、総務部長の神成(小松政夫)も絡んで毎回ミニコントを繰り広げてくれたけど、このお二人も2クール目から出番が激減しちゃいます。
まぁとにかく、私はやっぱり明るい作風が好きみたいです。それと、他の番組とはひと味違った個性。どんなジャンルにせよ常にそれを求めてます。
だから、前回記事(『キカイダー01』のレビュー)を読んで頂いてもお分かりのように、エロ目線なんか一切ありません。
たとえアップした画像に、ヒロインの緊縛姿とか悶え顔とか、パンチラなんかが写ってたとしても、そんなの偶然に決まってるんだから誤解するのもホントいい加減にして頂きたい!💢💢💨
ヒロイン=鈴子に扮する早川絵美さんは、分身して「ベルスター」になっても顔半分は露出されますから、よっぽど危険なスタントでない限り、全部ご自身で立ち回りも演じておられます。
当然「見せパン」を穿いておられるにせよ、それでもこれだけ思い切りよく見せられると感動すら覚えちゃう。それを皆さんはエロ目線だとおっしゃるっ!?💢💢💨💨💨
石森史郎さん脚本によるこの第11話は、なかなか恐ろしい造形のオオカミ怪人が大暴れ。聴くと頭に激痛が走る怪音波が遠吠えに仕込まれており、今回も鈴子さんが悶えてくれます。
変身……いや、分身の掛け声は「影よ、ゆけ!」。
マントで円を描くアクションも特徴の1つで、そりゃスカートもめくれますよ。自然なことです。私のせいじゃなーいっ!!💥💨💨
分身直後の「俺は、カゲスター!」「私は、ベルスター!」っていう口上も実にシンプルで好印象。今で言う「キモかわいい」コスチュームと相まって親近感が湧きます。
二人が駆るスーパーマシン=カゲローカーとベルカーのデザインもまた独創的! なんだこれはっ? (岡本太郎風)
「フラッシャー」と呼ばれるピストルは、武器というよりマシンを出現させる際に使うアイテム。これで空飛ぶマシン「カゲボーシー」も呼び出せます。
一方、敵はフツーに中古の乗用車w 財力の差をまざまざと見せつけられます。これぞリアル!
さて、クライマックス。今回は断崖が舞台とあって高低差が存分に活かされ、ベルスターを下からカメラがあおりまくり。たまたま偶然、そういう回をレビューに選んでしまいました。偶然です。たまたまです。なんだこれはっ!?
私がいくら避けようとしても、写ってしまうんだから仕方がない。たまたまなんです。仕方なく載せてるんです。それがなぜ解らないっ!?💢💢💨💨💨
ついでにカゲスターも頑張ってます。こちらも影夫役の立花直樹さんが演じてる事になってるけど、動きの美しさもスピードも半端じゃなく、さすがに吹替えだろうと私は見てます。
とどめはカゲスターの更に影から現れる「カゲロベェ」がオオカミ男を握り潰してジ・エンドw これもキモかわいいと言うかグロかわいくて、ほんと俺ジナルに溢れてます!
だけど怪人は死なず、通常の人間態に戻ったところで屯田警部に逮捕されるのが毎回のお約束。お陰で警部は何もしないまま手柄を立てまくるというw、格差社会のこれまたリアル。
我が身の境遇を恨んで悪事を働いたって、なにも報われやしない。それぞれの現実を受け入れ、それぞれの身の丈に合った生き方をしましょうねっていう教訓かな?
早川絵美さんは’74年の映画『女必殺拳』で志穂美悦子さんの相棒役でデビューされた、生粋の東映アクトレス。元より少林寺拳法を特技とされ、そりゃアクションはお手のものってワケです。
特撮ヒーロー物へのご出演も多いけど、時代劇、そして刑事ドラマへの客演も数多く、誠直也さんとは『ゴレンジャー』でも『ファイヤーマン』でもなく『特捜最前線』での共演が縁でご結婚。『太陽にほえろ!』にも#485と#584の2回、ゲスト出演されてます。
日焼け跡が完全にベルスター! なんか、イイですよね。
たしかカゲスターを出現させると、気が抜けるのか男性主人公がめちゃめちゃヘタレになっていたような(笑)
犬を怖がっているシーンを覚えています。
後半は変身っぽくなるのですね。
ほとんど記憶がありません!
ガッツリ見れるチャンネルいいですね!!
大好きでした
カゲスターにも影があって
それが カゲスターのことをおやびんと呼ぶのがまた
よかった
CATV契約切ろうかと思っているのにこんな話をされると(笑)
後半になって分身設定が無くなるワケじゃないけれど、それをビジュアルで見せなくなっちゃうもんで、初期を観てない人には普通に変身してるように見えちゃう。こういう試行錯誤の形跡もテレビ鑑賞の楽しさなんですよね!
>Kawakami(偽者)さん
分身した影たちの言動が、やたらコミカルなんですよねw こども視聴者を怖がらせない為の配慮なんでしょうけど、それがまた唯一無二の作風を生み出してて、ほんと飽きないです。こういう番組、もう地上波じゃ観られませんよ!w