屯田物語

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心にしまっておきたい日本語

2006年11月17日 | 日常
   見知らぬ人に負はれて
   越えた旅路のつくしんぼ

   見知らぬ人は黒外套
   顔もおぼえず名も知らず   

   ・・・
   ・・・    西条八十


「心にしまっておきたい日本語」金田一春彦著 から・・

”つくしんぼ”はわたし(金田一)にとって一生のうちで最初に感激した詩である。
そして、この詩に本居長世が曲をつけて発表した。
わたしは拝むようにして五線譜の詠み方を教わった。
自分の幼い日の寂しい気持ちがよみがえってくるようだ。



   清水へ祇園をよぎる桜月夜
     こよい逢ふ人みなうつくしき    与謝野晶子


”桜月夜”という言葉は晶子の造語であるという。
花という言葉をつけるだけで”花吹雪””花筏”・・
日本語の語彙の豊かさと美しさを感じる。
このころの鉄幹に妻がいたが、晶子は鉄幹に逢いたくて京都まできたらしい。



「心にしまっておきたい日本語」では石川啄木について辛らつな評であった。
著者の啄木にたいする思いはどこからきたのか・・
これは非常に興味深いことである。

”みだれ髪”を読んでみたが、ほとんどの歌の意味は理解できなかった。
そのなかで、この歌の・・
鉄幹に逢えた晶子のこころを知れば、
”こよい逢う人みなうつくしき”と歌った
晶子のうきうきした気持ちがよくわかるような気がする。

ちなみに晶子の歌を俵万智が詠めばこうなる。

   祇園よぎり清水へ行く桜月夜
      こよい逢う人みなうつくしき    俵万智
   


11月14日百合が原公園