「八月の狂詩曲」
お婆ちゃんと四人の孫の夏の日の思い出・・
原爆投下で夫をなくし、その戦争への憎しみ悲しみをじっと胸に秘めて生きてきた女。
それが、ある八月の台風の日、不気味な雲の流れをみたとき、
彼女は原爆投下直後にタイムスリップ、突然夫の安否を気遣って砂利道を走り出してしまう。
「お婆ちゃん」「お婆ちゃん」と叫ぶ四人の孫
凄まじい風雨が”野ばら”の明るいメロディにのって、
その追いかけっこは滑稽でもあるが、台風の最中なのに暖かい空気をそこに感じる、
不思議な余韻が残るラストシーンであった。
小学校の校庭に焼け爛れてへし曲がったジャングルジムがあって、
長崎へ行くことがあれば、その無残なモニュメントに触れてみたいと思った。
リチャードギアも出演している。
彼は撮影終了後に「もうアリとは共演しない」と言い残して帰国したそうである。
原爆でなくなった夫の法要、
たくさんの蟻が一列になって、真っ赤なバラの花に群がるシーンがあって、
そこにかなりの時間がかかってしまったからである。
シリバ岬付近の冬の日本海・・
タイトルの背景写真は定山渓の猫、かわいい顔をしていたが、
野良猫なのかな。