12月だね。
わたしの生まれた月とはいえ、一年のおわりであって寂しい月である。
昨年は父を亡くし、今年は母を亡くし、
まあ、両親はどちらも享年96歳、天寿を全うできたからよしとしたが、
中学高校の友人の訃報を聞くとそちらのほうがうろたえてしまう。
それは本能的に自分の残り火をはかってしまうからなのかもしれない。
両手の指の数しかないこれからの人生ならば、厄介な検査(入院)の合間をぬって、
どこへでも好きなところへ旅してみようかと開き直ってみたりする。
しかし、なかなか悟りきれない弱さがあって、
「太く短い」じゃなくて「細く長い」貧乏性から抜けられなく気丈を装うのも容易ではない。
神楽岡におよそ10~15センチの雪が積もっていて、
わざと踏み跡のない野を歩き回ってきた。
風は止んでいたので、わずかに聞こえるのは忠別川の流れと鳥の鳴き声だけ、
アカゲラかクマゲラの情熱的な激しく木を突く音を期待したが、
残念ながらそれは叶わなかった。
この足跡は熊か?
いやいや、これは老いた狐の彷徨と思ってください。