古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『長い道』(柏原兵三・著)を2日で読みました。

2015年04月15日 09時54分04秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 左は裏山に咲いている『花海棠』(ハナカイドウ)です。花が下向きなので桜ほど満開の感動がありません。右は『ガマズミ』です。三カ所に自生しており、白い花が咲きはじめました。秋には赤い実がなります。ガマズミ酒は最高の果実酒ですが、うちでは野鳥たちが赤い実を食べます。
            
 ソメイヨシノは散っても、コバノミツバツツジ・ヤマザクラが咲き、オオデマリ・ハナミズキ・ライラックなどが「咲く気まんまん」で控え、6月には色鮮やかな百合が咲きます。
 風邪引いてるし、雨で裏山も畑も仕事ができないので『長い道』を読みました。
 目が字を追っても中身が頭に入りにくくなっています。大型活字本で800ページ余り、読む速度が相当に遅くなっていますので、3、4日かけて読むつもりでした。しかしぐんぐん引き込まれて、2日で読了しました。三度目です。また読む気になることがあるか。わかりません。でも文庫本のほうは最期まで手元に置きます。
 『長い道』は「あの戦争」をめぐる文学作品の中で、3点リストアップしている中の1点です。
 (『長い道』/『ルソンの谷間』/『帰らざる夏』)
 東京から富山県の海辺に縁故疎開した少年(国民学校5年→6年)の一年を描いています。少年の世界が活写されていて、読むたびに引き込まれます。ぼくは戦時中疎開したわけではありませんが、戦後、小学校のとき何度か転校して同じようないじめを経験しており、ドキドキして読みました。
 子どものしたたかな存在感が、見事に描かれています。いまの大人は、多かれ少なかれ、こんな子どもの世界を通り抜けて大人になったのです。子どもの存在 / 大人の存在、さらにいえば「人間の存在」は、哀しい、胸の痛む、宇宙の現象かもしれない。足もとの深淵を見ないで、「明るく楽しく」生きるのが <しあわせ> かもしれない。
 もやもやしたものをしばらくかかえたまま、畑仕事にいそしむことにします。
コメント
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