前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ショスタコーヴィチ 『交響曲第1番へ短調』

2010-02-08 12:27:15 | NHK交響楽団
N響定期公演の続きです。

私がいつも行っている定期公演はCプログラムですが、
今回行ったのはAプログラムです。
世界的な指揮者のセミョーン・ビシュコフ氏が
N響初登場するのと、どうしても聴きたい曲だったので。
(よく定期に登場するデュトワやプレヴィンも
もちろん世界的に有名な指揮者ですけど)


どうしても聴きたかったのは、実は『春の祭典』ではなく
(一緒に聴けて幸運でしたが)
ショスタコーヴィチの交響曲第1番へ短調でした。


ショスタコーヴィチが19歳の時、
レニングラード音楽院の卒業作品として作った曲です。
19歳ですよ。ティーンエイジャーですよ。

1926年の初演は大成功で、
さらに当時の有名指揮者がこぞって海外でも演奏し、
ショスタコーヴィチは国際的に知られる作曲家としての
スタートをきりました。

「ソビエトが生んだ最初の天才」
「現代のモーツァルト」
といった賛辞が贈られたそうです。


そんな「国家の宝」だったにもかかわらず、その後
党の方針(社会主義リアリズム)に沿っていないという理由で
批判され危うく収容所送りにされそうになったわけですから、
改めて凄い時代(国)だったと思います。
(それを巧みにかわし続けたショスタコーヴィチも)


若さ故に純粋で、自分の中から溢れ出てくる霊感に
忠実だったからでしょうか?
まさに「ショスタコーヴィチの世界」そのものです。
「交響曲第1番にしてすでにショスタコーヴィチだった」
と評されるのも頷けます。

曲自体、難解というわけではないですが、
私自身はまだよく構造を理解できていません。
ただ聴いていて「面白い」です。
(滑稽とかいう意味ではなく)
ピアノが打楽器の一つとして使われます。


演奏の方は、トランペットにミスが多かったのが
ちょっと残念でした。
そのせいか、ビシュコフの指揮も
その真価を感じ取るまでには至りませんでした。

次回(Cプロ)に期待ですが、
曲目がマーラーの交響曲第5番でこちらも
トランペットソロから曲が始まります。
頼みますよ~。