老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

1065;チューリップのアップリケ

2019-04-20 05:43:53 | 歌は世につれ・・・・
チューリップのアップリケ


チューリップのアップリケ
作詞 岡林信康 大谷あや子 作曲 岡林信康  

うちがなんぼはよ 起きても
お父ちゃんは もう くつトントンたたいてはる
あんまりうちのこと かもてくれはらへん 
うちのお母ちゃん どこへ行ってしもたのん

うちの服を はよう持って来てんか
前は学校へ そっと会いに来てくれたのに
もうおじいちゃんが 死んださかいに
だれもお母ちゃん 怒らはらへんで
はよう持って来てんか スカートが欲しいさかいに
チューリップのアップリケ ついたスカート持って来て

お父ちゃんも時々 こうてくれはるけど
うち やっぱり お母ちゃんにこうてほしい
うち やっぱり お母ちゃんにこうてほしい


うちのお父ちゃん 暗いうちからおそうまで
毎日くつを トントンたたいてはる
あんな一生懸命 働いてはるのに
なんでうちの家 いつも金がないんやろ
みんな貧乏が みんな貧乏が悪いんや

そやでお母ちゃん 家を出ていかはった
おじいちゃんに お金のことで
いつも大きな声で 怒られはったもん 
みんな貧乏のせいや お母ちゃん ちっとも悪うない
はよう持って来てんか スカートが欲しいさかいに
チューリップのアップリケ ついたスカート持って来て

お父ちゃんも時々 こうてくれはるけど
うち やっぱり お母ちゃんにこうてほしい
うち やっぱり お母ちゃんにこうてほしい


40数年前に
チューリップのアップリケ に出会った
貧乏のせいで お母ちゃん 家を出ていかはった
お父ちゃんも時々 こうてくれはるけど
うち やっぱり お母ちゃんにこうてほしい

少女の悲哀(かなしさ)と怒りがじ~んと伝わってくる
貧乏したのは誰のせいや
貧乏という壁は いまもなくならない

同じく岡林信康が唄う
『お父帰れや』の詩、曲も
同じく貧乏がテーマ
北海道、東北の冬は雪国
田畑は雪の下
お父(おとう)は 貧乏のせいで
東京へ出稼ぎに行く

うちのお父ちゃん 暗いうちからおそうまで
自分の家も
貧しい農家であった
お父、お母は 暗いうちからおそうまで百姓をしていた
当時小学生だった自分
中学生になっても思っていた
毎月給料が入る公務員や会社員の家族に憧れていた

土曜の午後や日曜日は
いつも百姓の手伝いをされた

躰を使う労働や農作業を厭う自分
いま思うと情けない思考回路であった自分 




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2 コメント

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Unknown (西風)
2019-04-20 11:37:52
拝読して喉の奥がキュンと痛くなりました。

状況は異なりますが、
私にも、親に対して情けない思考回路があったことを思い出します。
けれど色々分かってきたときはもう遅いのですね。

今は、そうして学んだ人生のささやかな喜びも悲哀も孤独も
背負うしかないものだと思えるようになりました。
かと言っても、人間として未熟なままですから
反省の日々を過ごしています。
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Unknown (星光輝)
2019-04-21 14:41:47
西風 様

意味深いコメントありがとうございます

老いの路に立ったとき
何て徒らに時間を浪費してきたのか
浦島太郎は亀を助けたまでは良かった。
快楽に耽けた龍宮城の時間は
ジェット機よりも速く過ぎ去り
禁断の玉手箱を開けてしまった太郎は
白髪の老人となった。

半世紀が経ち、怠惰、意志薄弱な性格は変わらずのまま
その結果、これを成した、というものは
何一つ無く無意味な時間だけが残った。
浦島太郎と同じ。
半世紀かけて出来なかったことを
集中力持続力思考力体力が落ちていくなかで
再度意味のある価値のある時間(とき)を、と思っている
それは行動に移せねば同じ轍を踏む
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