ひいらぎナンテン
昭和32年頃から電気補聴器は市販されていた
私が見た最初の補聴器は、ショルダーバックに電池と共に格納された真空管式補聴器であった。親指程の真空管がつかわれていたが、やがて箸の先ほどの小型真空管が開発され、補聴器はポケット型に進化し、補聴器は加速的に普及した。
当時 補聴器は医療機器商が取り扱うのが一般的で、汽車やバスを乗り継いで遠方から来てくれるお客さんも多かった。
その頃の補聴器は振動やショック、そして湿気には驚くほど脆弱にできていて故障も多かった。
何時間も掛けて遠方から来るお客様は、多少待っても、その場で修理することを希望した。
部品の点数は少なく、故障個所もたいがい同一だったから、慣れるに従って手際よく修理を終えられるようになり、それが評判になってお客様も増えた。
修理が終わって、正常に動作する補聴器を手にして喜ぶお客さんの笑顔を今でも思いだす。