常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

町会広報設備

2010年12月30日 | 季節の便り

 

 

林の木々は梢の枝先まで白く細かな粉末が振りかけられて昨日までの景色は一変した。

風が吹くと枝の雪は煙のように空に上がってきらきらと輝やいた。

町会の一斉広報は、大型スピーカーを高い電柱の上に4基取り付けた拡声装置である。

公民館の一室に設置されたマイクに向かって喋ると、町内68戸に一斉に届くことになっている。

届くことにはなってはいるが実情は危うい、話す人のテクニック、外部の音をシャットする高密度住宅の普及、風向き、窪地などが原因と思われるが聞きにくいという苦情は後を絶たない。

朝7時 放送が始まる前に「家路」のチャイムが60秒流れる、この前奏の間に住人は窓を開けか、外に出るとかして聞き耳を立てる。

明日は町会より正月行事のお知らせが流れる。アナウンサーは私である。

 

 

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お歳取り

2010年12月29日 | 来し方

 

今年も無事仕事納めができた。

型通りの大掃除を済ませて明日から5日間の年末年始休業に入る。

分別のない幼年期を別にして既に70回近い大晦日を過ごしたことになる。

年齢を数え年で数えていたころ、大晦日はお歳とりといって、誕生日に関係なく年齢が一つ加算され、明けてお正月を迎えた。

その頃はクリスマスの習慣はなく、お歳取り家の主要な行事で、家族が揃って祝いの御馳走を囲み、焼いた鰤を食べた。

 

 

 

 

 

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イタリアの大理石

2010年12月28日 | 旅先の風景

 

フィレンツエの友人から小石が届いた。

右側の茶色はトスカーナに現存する古道で、ローマに行き来した軍隊、商人、旅人が踏みしだいた石畳のかけらで、同行のN氏から拝領し持ち帰ったものである。

左の大理石は今回届いたもので、角ばった石はカッラーラの大理石採石場で手に入れた物、平べったい石は採石場から川を下り海岸に流れ着いた同種の大理石という。

切屑石は流れ下るうちに角がとれ丸くなるのは日本も同じである。

有名なミケランジェロ作ダビテの原石もこの採石場から運ばれたというから、この大理石破片はその時の切屑かもしれない。

石にDNAがあればそのあたりの解明も進むだろうと思う。

 

 

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焚き火

2010年12月27日 | 季節の便り

 

隣接する神社の境内に人声がしきりにするのでのぞいて見た。

年末恒例の神社清掃に集まった役員さん達である。

落葉を集め枯れ草を刈り取り、門松を飾り付けて正月を迎える準備をする。

青い煙がたなびいてやがてパチパチと音が聞こえて来た、集められた落葉や枯れ草を焼く焚き火である。

雪の連山を背景に焚き火の煙が上がる景色を懐かしく見た。

落葉の焼ける匂いが風にのって届く、カミさんは焼き芋の匂いだといった。

役員の誰かが焚火の中に芋を隠したのかもしれない。

近頃 家庭で焚き火をする事がなくなった、落葉や枯れ枝はポリ袋に入れてごみステーションに出せば事足りる。

防火防災上からも原則的に焚き火は消防署に事前届け出が必要とされる。

 

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純正品

2010年12月26日 | 季節の便り

 

年賀状の印刷中にインクが切れてしまった。

買い置いたつもりのインクも見当たらない、詰め替え用のインクがあったことを思い出して詰め替え作業を始めた。

この作業は大変難しい、プリンターメーカーが張り巡らせた様々なバリアーをクリアーしないと、プリンターが動作しない仕組みになっている。

説明書に沿って手をインクで汚して悪戦苦闘した末に、バリアー突破はあきらめて暮れの雑踏の中をホームセンターに走った。

しかし いつものホームセンターは忽然と消えて広大な更地となっていた。

 余分な事だけれど日頃不思議に思っていることがある、あの美しいカラー写真が印刷できるジェットプリンターが、何故2万円そこそこで買えるのかと。

その謎は使用しているうちに氷解した。回答はインクの消費量とその価格にあった。

もし自動車の燃料がメーカー指定の純正品しか使えないとしたら、車の値段は10分の1に下がるだろう。

そして燃料代は10倍になる。

 

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新御霊

2010年12月25日 | 季節の便り

 

新年を迎えるにあたり、「新御霊」という今年鬼籍に入った方々の家を回り御焼香する習わしがある。

新御霊は長野県でも松本を中心に狭い範囲で行われている年末の行事である。

新しい霊は正月に家に帰るとの言い伝えから、新仏の家では12月初旬から御棚を作り先祖を迎える準備ををして待つ。

近所に今年は4件の御不幸があったので新御霊に回った。

「お寂しいお正月でございます」と当主に挨拶をして、仏前の遺影に向かって手を合わせると、在りし日の姿が目に浮かんでくる。

寒気団が攻め込んで雪国では雪が降り続いているらしい、風がサッシを鳴らしてきしむほどである。

 

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心配性

2010年12月24日 | 常念100景

 12月23日 残月

目が

明け方ぼんやりとしたまどろみの中で、年内に片を付ける 事柄を羅列してみた。

不味い事に、その羅列があとからあとから肥大して、すっかり目が冴えてしまった。

それらの不精事をほったらかしたらどうなるか、今までほっといて何もないのだから、これから先もないのだろう。

都合よく考えているとまた眠りに着いた。

目を覚ますと、西の空にシャボン玉のように淡い月があった。

あんなに深刻に考えた心配ごとも、きれいさっぱり忘れてしまった。

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藁草履

2010年12月23日 | 来し方

布草履

ある集まりで年長者から自分で編んだという布草履を頂いた。

履いてみるととても暖かく、懐かしい思いが蘇えった。

子供のころの一時期、戦争が終わって物資が極端に不足していた時代、通学の履物は下駄か藁草履であった。

雨が降れば下駄、天気の良い日は藁草履を履いた。

その藁草履は自分の家で作った、父親が草履を編む傍らで子供たちも草履作りに挑戦した。

両足の親指に細い縄を引っかけてループを作り、縄の両端を手前にそろえ、4本の縄を絡めるように藁で編んでゆく、適当なところに鼻緒を付けてさらに編みあげる。

最後に親指から縄を外し、縄を手前に引いて出来上がる。

最初は形が不揃いで頼りない、たわしのような出来栄えだったが、勘所を覚えると充分実用に堪えるものができるようになった。

しかし 頼りないものの代名詞「藁」である、どんなに念を入れて編んでも所詮は藁、砂利道を2日も履くとかかとの部分が擦り切れてしまった。

 

 

 

 

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冬至

2010年12月22日 | 季節の便り

セントポーリア

予報の外れを期待した昨夕、空一面に厚い雨雲に閉ざされて、月食の片鱗すら見ることはできなかった。

冬至の朝 ぐっしょりとした雨雪が1,2センチ積もって春の陽気であった。

冬至が嬉しいのは、この日から100%の確率で太陽は復活する。

夏至を過ぎて、南中高度を落とし続けた太陽は、今日冬至という季節の底に到達し、力強く再起に向かう。

これは確実に未来を予測できる数少ない事例であるである。

 このことが生物を勇気づけ、命の根源となる。 

 

 

 

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乗鞍 鹿島槍

2010年12月21日 | 季節の便り

        鹿島槍           五龍

            乗鞍岳

家を出て、松本市街地に向かって15分ほど川に沿って歩くと、谷間を抜けてにわかに展望が開ける。

そこは北アルプス山脈が南の乗鞍岳から、北の白馬三山まで見通せる景勝地である。

空気が澄みきった冬季の山嶽は、研ぎ澄ました刃物のように近寄りがたい威厳がある。

純白の毛皮を朝日に染めて 乗鞍岳はたおやかに休眠する

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