花菖蒲
夜のうちに降った雨の名残が花のそこここに宿っていて、この花が持つ独特の季節感を一層際立たせている。
小さな池の隅を小さく埋め立てて植え付けてから小十年は経つ、忙しいを口実につい手入れを怠って今日に至る。
毎年植え替えるのが原則といわれる花菖蒲にとっては、何とも不精な主に巡り合ってしまったものである。
あの時いただいた花の管理手引書はきちんと保管している。
これからでも遅くない、花が終わったら今年こそ植え替えを実行しよう。
夜のうちに降った雨の名残が花のそこここに宿っていて、この花が持つ独特の季節感を一層際立たせている。
小さな池の隅を小さく埋め立てて植え付けてから小十年は経つ、忙しいを口実につい手入れを怠って今日に至る。
毎年植え替えるのが原則といわれる花菖蒲にとっては、何とも不精な主に巡り合ってしまったものである。
あの時いただいた花の管理手引書はきちんと保管している。
これからでも遅くない、花が終わったら今年こそ植え替えを実行しよう。
梅雨の雨が降りしきる朝、葉が幾重にも重なり光が遮られたブドウ畑は鬱蒼とてほの暗い。
拳ほどに育ったデラ葡萄の房が洞窟の蝙蝠のように息づいていた。
ある畑では、房に日を当てる為に摘み取られた若葉が棚の下を埋め尽くして、収穫が近いことを思わせた。
梅雨が明ければ程なく出荷の最盛期を迎える。
山菜のてんぷらを供することで有名な山の温泉宿で、山葡萄の若葉のてんぷらを薦められた、癖のない葉物の揚げ物なのだが、かすかな酸味が舌に残った事を思い出した。
よんどころなく主が変わった温泉宿に、今でもあの酸味が残るてんぷらは残っているだろうか
暑い国のスイレンは多彩だ。
何時だったかアンコールワットに昇る朝日を見に行った。
日の出前 薄明かりの寺院前の池に紫色の美しい睡蓮が数限りなく開いて日の出を待った。
有名な寺院のシルエットを背景にして咲くスイレンの神秘性が、そこに立つ人達を魅了した。
白昼 そのスイレンが咲く池を見てその汚れの酷さに驚いた。
塵芥が浮き、メタンガスの泡が音を立てる泥沼と、そこに咲く美しい花を対比させる効果を狙ったのだろうと解釈した。
日本のスイレンの何と清純なことか