柿の葉の道化師

暮れる日を斜めに受けた紅い柿の葉に道化師の衣装が重なる。
柿の葉が色づく頃、町の祭りにはいつもサーカスのテントが建った。
ピエロの道化も、ブランコも、オートバイの曲乗りも何か物悲しかった。
「あの子達はみんんな、さらわれきたんだよ」と姉が真顔で教えてくれた。

うめもどき

手入れが行き届かないから庭のあちこちに藪が生れる。
そんな藪の一つにウメモドキが赤い実をつけた。
植えた記憶が無いから、小鳥が運んだ種子からの実生なのだろう。
山に近い庭なので毎年いろんな芽生えがあるが、目に付くものは無情に抜き取っている。
そうしないと、怠け者が住む家は、数年で狐や狸の住処になってしまうから。

雲海

常念が見える窓からと言っても、一年を通して全容が見られるのは100日余りではないだろうか？
雲を従えた日の出前の常念である。
一雨ごとに気温が下がって、驚いたことに月下美人が朝になっても八部開きである。
清楚というか妖艶というか、この美人のエネルギー源は気温であったのだ。

寒いを連発

朝起きてから寒い寒いを連発した。
北海道の高山には雪が積もったそうだ。
信濃に深まり行く秋、昨夜の雨が萩を散らした。
山法師の紅い液果も落ちている。

きのこ

山で茸に出会うとそれが食用か猛毒かを問わず楽しくなる。
小さな丸茄子の浅漬けがおやつだった。
中身を器用にえぐった茄子の皮袋に水を入れて、ほのかな香りと塩味を楽しんだ。
キノコを見るとそんなことを思い出して楽しくなる。

キクイモ

キクイモが半ば野生化している。
　花の黄色が美しい。
イモは美味しいものではないけれど、漬物にすると独特の歯ごたえがあって捨てがたい。
　猪の好物で、牧柵を張る以前は猪にキクイモが咲く土手を掘り返された。
小型のブルトーザーを使ったように見事な作業であった。
　糖尿病に特効があると喧伝され、ひところ人間様が掘りに来ていた,けれど一過性のブームも去ったようだ。
　

秋晴れ

秋の冷気が流れ込んで空の色も秋になった。
コスモスは秋の青空の下の見るのがいい。
晴天が二日続いたので稲刈りはほとんど終わった。
昔家族総出で10日もかかった稲刈りが、今は半日で終わってしまうという。

茗荷

今年は茗荷を良く食べた、だから忘れることも多かった。
しかし　旬が過ぎて茗荷を食べなくなっても、物忘れがエスカレートする。
物事はすべて忘れるという前提であれば、それなりの対応策はある。
困るのは、絶対忘れる筈がないと思い、バックアップしなかった重要事項をつい忘れてしまうことである。

交通安全運動始まる

２１日より秋の全国交通安全運動が始まった。
交通安全協会は通学路に立って、学童の安全と、ドライバーへの安全運転の啓発を行なった。
しかし　それが運転マナーの向上、ひいては事故防止に貢献できるのか、自問自答している。

小さな滝 白骨温泉

白骨温泉へ行く途中に小さな滝があった。
落葉樹の濃い緑から秋の装いに変わる一時の明るさは新緑のころを思わせる。
地面に広がる一面の緑は種をつけたミズナの群生である。