台風と戻り梅雨が季節を壊してしまったようだ。
トウモロコシ無残 一夜でこのありさま
赤外センサー付き撮影装置
トウモロコシ畑を荒らしたのはその手口からハクビシンと見当をつけた。
有無を云わせない証拠が欲しい。
ここで頼りになるのは隼人君である。
ムササビ用の無人撮影装置一式を借り受けた。
獣の体温に反応する優れものである。
しかし、いくら高性能装置であっても、動物が装置のセンサーを横切って、カメラの前でポーズしないとよい写真は写らない。
ハクビシンになったつもりで設置場所を考えた。
なにが写るか楽しみである。
三城から扉温泉へ
ある年のキャンプの帰り、峠を越えて扉温泉経由のコースを辿った。
水力発電用貯水池(カブッチョ)の脇を抜けて峠道を登った。
扉という地名は天の岩戸のかけらがこの辺りに落ちたことによる。
長野市北方の戸隠山に放り投げた石の大きな破片が道端に見られるという話に子供達は目を輝かせた。
道すがら大石はいくつもあったが、岩戸の「かけら」という確証はなく、転がっている石の全てが「かけら」だろうということになった。
峠を下ると扉温泉にでる、川岸にある明神館で風呂に入って休憩し、学校まで歩いた。
今では屈強な大人もため息をつく長帳場を、子供達は愚痴も言わずに炎天下を元気に歩いた。
現在 信州松本扉温泉明神館と云えば全国に、もしかしたら全世界に通用する名湯である。
地元の悪ガキが徒党を組んで湯船を占拠することなど、もはやあり得ない。
子供どころか、大人でさえもあらゆる面で敷居が高く、遠くから眺めるだけである。
ホタルブクロ
山小屋に続く雑木林には数本の白樺が樹皮を光らせていた、青草の上に白樺の丸太を使った手作りのベンチがあって腰を下ろすと木陰を渡る風が何とも心地よかった。
美ヶ原高原の麓に広がる三城牧場キャンプは、小中学校の夏の楽しい行事であった。
牧場には牛や馬が遊び、ある時は農耕馬が地響きを立てて群れて走った。
牧場の丘の上に立つ瀟洒な二階建てをホテルと呼んだ。
その頃松本の街にもホテルと呼ばれる宿舎はなかったように思う。
そのホテルから谷を隔てた林の中に山小屋風な「アランの家」があった。
この家は、アランこと赤羽さんの全て手作りと聞いていた。
洒落たチョッキと派手な幅広ベルト、粋なカウボーイハットを格好良く頭に乗せた伊達男はこの牧場の管理人だったように思う。
悪童たちは宿舎のホテルを抜けだしてアランの庭に忍び込んだ、アランはドラム缶の風呂に入っていた。
見つかって、頭から湯をかけられて、逃げる帰る野道に、うす紫のホタルブクロが咲いていた。
5月に創業90周年史を贈った取引先から胡蝶ランが届いた。
5本の花茎が形よく伸びた素晴らしい仕立ての逸品であった。
長い期間楽しんだ花期が終わって、さてどうしたものかと思案した。
ほっとけばゴミ捨て場行きである。結局私が預かることになった。
家に持ち帰り、教本に沿ってミズゴケの鉢に移した、素焼きの鉢がおすすめとあったが生憎手元にないのでプラ鉢にした。
植え替えた後1週間を与えないのが秘伝だと書いてあった。
水を吸いたくて根がどんどん伸びるのだという。
来年の春が来て花が咲くかどうか、シンビジュウムを一度咲かせたことがある。前年に比べたら1割にも満たない花数であったけれど。
幸いなことに、私は胡蝶ラン栽培の達人を友達に持っている。
鳥名不明
伸び放題に伸びた雑草に覆われている我家である。
重い腰を上げて、朝の涼しいうちにと雑草退治を始めた。
この場面で注意を要するのはアシナガ蜂対策である、あらかじめ危険個所を推測し、長い竿で安全を確認する。
子育ての最盛期である、巣の警戒線を越える闖入者に護衛の働き蜂が一斉に襲いかかる、迅速な退却が最も有効な手段だけれど足場が悪いとそうもいかない。
堆積した蜂毒が人間の免疫機能を狂わせて、はげしいショック症状が、呼吸を止め、心拍動を停止させる事態も充分ありうる。
余談だけれど、一昨日 カミサンが墓掃除中に襲われて、右腕を衣服の上から3か所刺された。
幸い大事には至らなかったが、鋭い痛みと、腫れと、その後に続くかゆみと倦怠感は経験したものでないとわからない。
そんなこともあって 生命が脅かされる危険をはらんだ蜂対策を充分に取りながら刈り進んだ。
途中 植え込みの一位(オンコ)に絡んだつる草に手を焼いていた時、茂みの中に小鳥の巣を見つけた。
落葉した冬木立に残された小鳥の巣を見かけることは珍しいことではないが、まだ温かみを感ずる巣に遭遇できたのは久しぶりのことである。
巣には5個の卵があった。
心配事が生まれた。
営巣地の環境が変化したことで親鳥が巣を見捨てることはないだろうか?
外敵に発見される危険度が高くなったのではないか?
今朝 出勤の時 営巣付近から飛び立つ鳥影をカミサンが発見した。
5個の卵は親鳥に見捨てられずに済んだということだ。
パネル展示
地球の宝石箱ミュージアムのことば
庭に据えられたユニークな日時計
隼人君のムササビ研究パネル展が始まったというので塩尻市北小野「地球の宝石箱」ミュージアムに見学に行った。
パネル展は今までの研究成果をまとめた資料展示である、傑作は「空飛ぶ座布団」の異名を持つムササビを、実物大に作った模型であった。
ついでに館内を見学した、膨大な鉱物標本展示があり、地震のメカニズム、レアアース、放射性岩石の放射線計測等、現世の話題が詰まった館内である。
次代を担う子供たちに是非見てほしいと思った。
聞けば、私企業の記念館だという、この地下を走るJR塩嶺トンネルの掘削に深くかかわった会社だという。
充実した展示物の割に見学者が少ない、というより私たち6人以外入場者はいなかった。
旧聞に属する事だけれど、6月に開催されたワイズメンズクラブ国際協会東日本区松本大会での晩餐会には、ホストクラブの肝いりで地元ならではの食材を使った料理が並べられ大好評であった。
後日 料理の量が物足りなかったと複数の方から御忠告をいただいた。
事実 料理を山盛りしたトレーは、晩餐会の終盤にはどのトレーにもなにも残っていなかった。
その中でただ一つの例外は「絹の花」佃煮であった。最初の量がほとんど変らずそっくり残ってしまった。
ありていにいえば「蚕の蛹」である。かって養蚕が盛んな信州では、貴重なタンパク源として普通に食べられていたものだが、最近口にすることはなくなっていた。 そんなことで敬遠されたのだろう。
もし写真の様な料理が出されていたら結果はどうだったのだろう。
「蜂の子とアスパラガスのオリーブオイル炒めサラダ」
蜂の幼虫の目玉が写っているから、敢えて写真を縮小した 。虫食を極度に嫌悪する方の食欲を減退させる恐れがあるから。
しかし 美味である。
私が調理してこの旨さである、もし本職が腕を振るったら、世界の美味ランキングが入れ替わるかもしれない。
山百合
長野県南部に位置する天竜村から我が家に来てからほぼ30年の間、百日紅と共に毎年盛夏を告げる花である。
草丈は2メートルにおよび、年を経て1茎に10輪を付ける物もある。
春 雑草に先駆けて成長し、夏草の茂みを見降ろして咲く。
時々茎の髄に甲虫の幼虫が入り込み、枯らす事があっても、翌年は必ず再生する強靭な力を持っている。
日本の山百合がカサブランカをはじめとする大型園芸百合の原種らしい。