常念 黄昏(9月17日)
黒く熟れたナツハゼの実を摘んできた。
噛むと甘みと強い酸味が広がる。野生の味だ。
鏡に写すと、口の中がムラサキというより黒インクに染っている。
葡萄の産地塩尻から大粒種葡萄の詰め合わせが届いた。
種なしで皮ごと食べられ、現在最も人気があるというシャインマスカットが中央に納まっている。
緑の表皮は一見硬そうに見えるけれど、ほとんど抵抗なく噛み砕けて癖のない上品な甘さが口の中に広がる。
確かに美味しいけれど、高級洋菓子の味だ。
昭和の果物に馴染んだ年代には少し物足りない。
秋を活ける