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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

イチジクに感謝

2015-11-12 | 随想

今秋は,我が家にとって実りの秋でした。カキはもちろん,イチジクもスダチも,さらにはキンカンもという具合なのです。

イチジクは2種をそれぞれ一本ずつ植えています。それがほんとうに豊作でした。生食にしたり,煮てジャムにしてパンに付けたり。もう申し分のない味覚でした。これぞ,自然からの贈り物だなあと感謝しています。

そのイチジクは季節が終わり,枝に残った実が今,昆虫たちに味覚をプレゼントしています。自然に割れた実から甘み成分が滲み出て,それを敏感にキャッチした小さな虫たちが訪れているのです。いちばん多いのはショウジョウバエ。


11月9日のこと。ホソヒラタアブがいることに気づきました。口吻を伸ばしてペタペタと舐めています。わたしに気づいていったん実から離れましたが,よほど魅力があると見え,舞い戻ってきました。

 


実に降り立つと,さっそく口吻を伸ばし,脇目もふらずに蜜を舐め始めました。そうしながら,すこしずつ歩くのです。 

 
実は熟しすぎているようで,カビが生えています。それでもエネルギー供給源として昆虫たちを引きつけているようです。

 
ホソヒラタアブより大きめのハチのなかまが登場しました。機敏そうなからだつきです。立派な長い触角で,この場所を嗅ぎ付けたのでしょう。果肉にバリバリと噛り付く口をしています。

 
ニクバエのなかまもやって来ました。堂々とした姿です。だからといって,ショウジョウバエが警戒している様子はありません。共存していることがわかります。


イチジクの木に実った実のうち,たった一個が裂けて,その存在をアピールしているのです。本来なら,実を種子ごと食べてくれる鳥や小動物を招きたいはず。昆虫たちは感覚器官を巧みに使って嗅ぎ付けました。極上のごちそうにありついているようです。

昆虫も我が家も感謝。