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自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

秋の“虫の目”写真(13)

2015-11-25 | 随想

タンポポの花はけっして春だけのものではなく,一年中見ることができます。ことセイヨウタンポポともなると,それこそあちこちで咲いているというふうです。田舎でもそうですから,都市部にいけば相当に目に付くのではないでしょうか。これはセイヨウタンポポならではの結実戦略を備えていることによります。

ところで,今はセイヨウタンポポも在来種も共に咲いています。意外にもたくさん。もちろん,セイヨウタンポポの方が圧倒的に目立ちます。季節が進んで昆虫がいなくなる頃には,在来種はほとんど見かけなくなります。

咲いているこれらの花を頻繁に訪れているのがホソヒラタアブです。つい先日,アゲハの庭園の隅っこに咲く一輪のセイヨウタンポポにホソヒラタアブが1匹とまっているのを見かけました。とても神経質で,わたしが近寄るとパッと飛び上がって周りを回り,わたしが離れると,しばらくしてまた舞い戻ってきて,花近くでホバーリング。そして着地。わたし動きを察知するたびに,“飛ぶ”“降りる”という動作の繰り返しです。

降りると,安心したのか,餌をたっぷり舐めていました。


後日,道の隅で咲く一輪のセイヨウタンポポにホソヒラタアブがとまっているのを見ました。路面からの高さは15cm。黄色い花がすくないので,目立つのでしょう。蜜やら花粉やらを舐めるのに熱中気味でした。わたしが通り過ぎると,パッと花から離れました。立ち止まってじっと見ていると,元の花に戻ってきました。ホバーリングを繰り返す行動は,やはり慎重さを物語っています。

それほどに執着心をもっているようだから,写真を撮るのは比較的容易だろうと思って撮ったのが下写真です。実際,こちらがゆっくり行動すれば気づかないようで,慌てずに撮れました。


地面近くの虫の目写真は,地表の広がりを感じさせてくれます。わたしたちの日頃の目線よりずっと低く,新鮮な印象を与えてくれます。