自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ガガイモの今(続) ~虫の目写真~

2017-01-11 | 植物

この日は晴れ。澄み切った青空のもと,ガガイモの綿毛がほわーっと開いて,今にも旅立ちそう。風もそこそこあって,旅立ちの日としてはなかなかのもの。 

 
風は,下写真では右から左方向へ吹いています。風の吹くままにゆらゆら揺れます。


こちらは,袋菓が割れて,閉じた綿毛が行儀よく並んでいます。間もなく落下傘たちが勢いよく開くでしょう。 

 

 
日が傾いてから,もう一度行ってみました。風がほとんどなく,綿毛は下に垂れていました。


種子が錘になって,落下傘がぶら下がっているといった感じ。 

 
おやおや,種子の一つが近くのアメリカセンダングサの種子に捕まっています。あてのない旅ですが,まさかこんなところで簡単に捕まろうとは。種子はもっともっと遠くに旅立とうとしたにちがいありません。 



種子の数だけ,物語が生まれて展開していきます。観察をとおして種子の散布作戦のおもしろさが見えてきます。自然の妙が伝わってきます。 

 


ロウバイ,花と昆虫(2)

2017-01-10 | ロウバイ

12月28日(水)。朝,家周辺がうっすらと雪化粧。庭に積もったのは今季初めて。ロウバイを訪れるはずだった昆虫たちは震えあがっていることでしょう。

 

 
ハラビロカマキリの卵鞘も雪帽子を被りました。

 
べたついた雪で,どんどん解けていきます。ロウバイの下にあるサツキにも雪が。その結晶を写真に収めたくて撮りました。撮っている間にも結晶はかたちを崩していきました。


1月10日(火)。穏やかな日中でした。最高気温12.9℃。開きかけたロウバイは数輪。あまり期待せずに見に行くと,なんとハエが! クロバエのなかまのようです。ヤッター! これが観察第1号! 花弁の黄がしっかりアピールできたのです。冬の黄色は地味で清楚。それでも,自然の中ではひと際目立つのでしょう。左の花の花弁にいたので,たぶん中に潜っていたにちがいありません。

 


時間をおいてから行くと,今度はツマグロキンバエが! これも色に引き付けられてきたのでしょう。ロウバイのアピール作戦は大成功!

  

 
さあ,ロウバイの花と昆虫との,持ちつ持たれつのドラマが幕を開けます。

 


冬,カマキリを超近距離撮影(続々)

2017-01-09 | 昆虫

庭の手入れをしていたら,なにかの幼虫が出てきました。なにの幼虫か調べてみようと思い,とりあえずカマキリの入った飼育箱に入れておきました。カマキリの動きは鈍いので大丈夫だろうと思ったのが大失敗。しばらくして見ると,姿が見えません。「あれっ? おかしいな。カマキリがそれを食べるほど元気とは思えないけど……」。そう思いながらカマキリに目を向けました。そしたら,その幼虫をほぼ食べ終わる頃だったのです。

幼虫にはかわいそうなことをしてしまいました。これも食物連鎖なのでやむを得ないと割り切ってしまえばそのとおりなのですが,わざわざ自分がいのちのつながりに介入してしまった失敗を後悔しました。 


カマキリは,こんなに寒くても,生きる執念のようなものを持っているようです。さすがの姿です。 


動きがゆっくりしていたので,真正面から顔を撮ることができました。 


王者の貫禄,風格が漂って見えます。脚の格好は構えじゅうぶんといったところでしょうか。 

 
こうであっても,間もなく最期を迎えます。生きものにとって冬は過酷な環境なのです。 

 


ガガイモの今 ~虫の目写真~

2017-01-08 | 植物

1月のガガイモは種子散布でがんばっています。「遠く遠くに種を運ばなくちゃ」。そんな気持ちでしょう。

にわか雨が止み,青空が広がりました。でも,ガガイモの袋菓は湿ってしまいました。これでは袋菓を開いても無駄です。乾くのを待つほかありません。細い蔓はヘクソカズラ。この妙な名はどうも馴染めません。相手を立てて,別名どおりヤイトバナ,サオトメバナと呼びたいもの。実がほんのすこしだけ残っています。 


今にも舞い上がりそうな種子もずいぶん湿ってしまいました。しばらくは散布作戦を停止せざるを得ません。 


口をパカッと開いた袋菓から,たくさんの綿毛が覗いています。種子は早く飛びたくてうずうずしているようです。ここは自宅近く。飛び立つときに,また訪れようと思います。 

  

 


氷点下3.5℃下の霜

2017-01-07 | 日記

1月7日(土)。七草の日。最低気温3.5℃。今冬最低を記録しました。早朝,空は晴れ渡って,ぐっと冷え込んでいました。そんな朝はたいてい霜が降ります。今朝もそうでした。久し振りに霜を接写撮影しました。

土に付いた無数の規則正しい結晶。サイコロのよう。

 


リュウノヒゲの葉に付いた結晶。長いものも混ざっています。行儀よく並んでいます。 

 

 
カタバミの葉に,まばらに付いた結晶。小さくて,いろいろなかたちが混ざっています。

 

 
土に付いた,こんなに長い結晶。長いといってもミクロの世界の風景。

 


ビニルポットに付いた結晶。長いものが林立しています。成長段階で水分補給があったのです。 

 

 
これに朝日が当たって,きらきら光り始めました。白と黒の世界に,赤や青の色彩が生まれ始めました。

 

 
花壇で見かけた貝殻を見ると,ここにも結晶が。氷砂糖のようなかたちがどっさり。



結晶が成長する様子が観察できたらスゴイでしょうね,きっと。

 


地域ミュージアムで考える(43)

2017-01-06 | 随想

規則正しい三方晶系の結晶を薄手の紙でつくった水晶モデルが手元にあります。いつか,これをもとにして立体地球ができたらたのしいなあと思っていました。わたしはお菓子などの箱でこれはと思うかたちに注目していて,ときどきそうした実物に出合うことがあります。「なるほど,これはうまくできている」「スゴイ!」っと,飛び上がりそうになります。そういう工夫例を参考にして立体地球づくりを発展させるのはおもしろいだろうなと今思っているところです。

この度はこの水晶を参考にして挑戦しました。まず原寸の2倍大で,段ボールで展開図を完成させました。見るからに複雑です。三角形や六角形,七角形から構成されています。これを折り曲げ,立体に仕上げるのです。のりしろが隣り合った箇所を見ると,作業がたいへんむずかしそうです。なにしろ,のりしろがほとんどない部分があります。こうなると,挑戦する価値はじゅうぶんありそう。

 
地図の展開図はすでにできています。

 


さて,段ボールの組み立てはどうなったか,報告しましょう。込み入った展開図だけに,きちんとお伝えしなくちゃ。

のりしろ部分に切り込みを入れて,組み立て準備を整えます。


接着剤とクリップを使って立体にしていきます。厚みが8mmもある材料だけに,最初から苦労が始まりました。


ときにはビニル紐も使って固定します。両側から作業を進めると効率が上がります。このまま一日放置して,接着剤が乾くのを待ちます。

 
乾いたら,このようにして組み立てていきます。

 


斜め方向に走る辺が多いので,たいへん苦労します。

 

 
厚みがあるだけに,微修正を続けながら接着していかなくちゃ。 

                               (つづく) 

 


道端の生きものたち

2017-01-05 | 生物

夕暮れが近づいてきてウォーキングに出かけました。いつものように歩いたり写真を撮ったりで,気ままなウォーキングです。

土手に植えられた木に,ガガイモの実がぶら下がっていました。今にも舞い上がりそうな姿で綿毛が開きかけていました。 

 
まだまだありました。一本のツルに次々とつながるように付いて,見応えじゅうぶん。いちばん先の実が弾けていました。落下傘部隊が飛行準備を整えたようです。

 
カキの木からカラスウリの実がぶら下がっていました。秋が名残惜しそうに残しているようです。


カンサイタンポポもちゃっかり咲いていました。結実はほとんど無理なのですが,セイヨウタンポポ程のたくましさはないにしても,草魂を感じさせてくれる風景です。 


道際の水田にはタネツケバナがたくさん生えて花を付けています。そのうちの一本でセグロカブラハバチの幼虫を見かけました。黒いので,小さくても目立ちました。アブラナ科植物が好物です。よく見ると,その茎にはアブラムシがいっぱい! 茎にはおいしい汁が流れているのです。

 
静かでも,この季節らしい生きものの姿が見えてきます。 

 


初冬に収獲するジャガイモ

2017-01-04 | 生物

ジャガイモは冷涼な気候で育つ作物です。早春あるいは初秋に植え付けるのは,暑い気候は大の苦手だという証拠。そのジャガイモも,さすがに寒すぎては生長を停止せざるを得ません。

霜が降りて,地上部がすっかり枯れました。プランターのジャガイモはこんなふうになりました。


畑に植えたジャガイモも。

 
さっそくイモを掘り上げました。こんなに大きなホッカイコガネが入っていました。でも,量としては大したことはありませんでした。


アンデスレッドがかたまって付いていました。比較的値段の高い品種です。出来は上々。 

 
ホッカイコガネとアンデスレッドの2品種がこれだけ収獲できました。

 

 
一年に二度栽培する価値はじゅうぶんあります。秋植えすることによって,できるだけ新鮮なものを食べられます。これからもこの程なら植え付けてもよさそうです。 

 


春の七草摘み

2017-01-03 | 日記

午前中,交通安全祈願で三つ目の神社参拝に。境内では,もう梅の花がほころびかけていました。


   君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ  (光孝天皇) 

新春,野で摘む若菜に七草があります。摘んだ七草をお粥にして食し,無病息災を祈る伝統行事が七草粥。その日が近づいてきました。

わたしは例年この行事を,自分で摘んだ七草で行うのを習わしにしています。それは無病息災を祈る気持ちを持ち続けたいという点もあるのですが,それ以上に,自然の匂いをたっぷりかぎながら季節感と生活を結び付けておきたいという思いがあるからです。生の自然から遊離した思考,生の季節感を失った生活は,自然と人のつながりを考えるととても寂しいと思うのです。

午後,七草摘みに出かけました。黒大豆を収穫したあとの乾田には,野草がたっぷり生えています。背が低い草ばかりで,七草は容易に見つかります。

 
セリ(芹)。


ナズナ(薺)。 


ゴギョウ(御形)。 

 
ハコベ(繁縷)。これは畑で採集。

ホトケノザ(仏の座。コオニタビラコ)。

 


スズナ(菘。カブ)。これも畑で採集。

スズシロ (蘿蔔。ダイコン)。これも畑で。

さて,1月7日の朝,これらを調理して七草粥をいただくことにします。無病息災を祈りながら……。季節の匂いを感じながら……。

 


月と金星が大接近

2017-01-02 | 日記

今日1月2日( 月),日没後,月と金星が並ぶようにして西空に沈んでいきました。

月は三日月。くっきりと輝きを放っていました。そのすぐ隣りには金星が。大気のほとんどは二酸化炭素。濃硫酸の厚い雲で覆われていて,表面温度が平均470℃という高温! そんな正体とはまったく想像できない輝き!

せっかくなので,これをコンパクトカメラで撮りました。手振れを防ぐために,三脚を使い,タイマーを使用して撮影しました。


次に,ズームで拡大して撮りました。金星は上方向がやや欠けているかなという感じですが,正確にはわからない写りです。まあ止むを得ません。 


しばらくして山際に差し掛かり,稜線の木でかたちが崩れかけました。金星は木の間からかろうじて確認できる明るさです。 


月は木の枝で見る見る間に隠されていきました。 


こうした天体ショーが感動体験に入るとすれば,宇宙の事象にしばし目を向け,時間を忘れることもこころの栄養剤として大事だなと思います。正月早々,そんなひとときを味わえました。