朝。
前日の日暮れに見たコカマキリを探すと,いました。位置はほとんど変わらず。
指を触れると,からだを横に向けました。しかし,どこかに行こうとする素振りはなし。
まるでレンズを覗くような雰囲気。
継続して観察する価値がありそうです。
朝。
前日の日暮れに見たコカマキリを探すと,いました。位置はほとんど変わらず。
指を触れると,からだを横に向けました。しかし,どこかに行こうとする素振りはなし。
まるでレンズを覗くような雰囲気。
継続して観察する価値がありそうです。
夜,居間にいるとガラス窓の外側に真っ白い影が見えました。これは全身が純白のウスキツバメエダシャクにちがいありません。
それの顔写真を撮ったことがないので,さっそく採取。やはりウスキツバメエダシャクでした。さっそく室内で撮影することに。
横から撮りました。白をきちんと撮るのはとてもむずかしいといつも思います。光源を横に置くとよいのですが,今回はそこまでできませんでした。
真っ白い毛におおわれています。頭部と触覚だけが茶褐色。この個体はメスです。この後シャーレに入れておいていたら,産卵したのです。なお,卵の様子については後日記事にします。
近寄ります。動くたびに毛が折れて複眼にも付着します。それに鱗粉も。
やっぱりこだわって光源をコントロールすべきだなあ,と反省。
日が沈んでしまいました。この日はじつに穏やかな天気で,快適に暮らせました。アゲハの庭園に行くと,フジバカマにコカマキリがとまってじっとしていました。これは絵になるなあと思って,さっそく画像記録。
フジバカマをしっかり入れて撮りました。ここにやって来る昆虫を,こうして待ち伏せているのです。
撮っていても,コカマキリはほとんど動きません。小さなからだながら,堂々とした姿に見えます。
このカマキリは,この先いつまでここにいるのやら。
アサギマダラが捕まったらたいへん。でも,自然の成り行き,そして摂理でもあり,どうしようもありません。
アゲハの庭園にて。
秋の青空には,程度に白い雲が散りばめられたように浮かんでいます。アキアカネが一匹,獲物を待ち構えて発着を繰り返しています。
風がかすかに吹き,葉や茎を揺らします。この種の写真撮影にはわずかな揺れが影響します。タイミングよく写せたらよいのですが,葉の動きが止まったと思った瞬間に当のトンボが発進したばかりだったりして。なかなかたいへん。それでも,トンボは元の位置か,その近くに戻って来ることが多いので,その時を待つほかありません。
このショットでは,翅先がレンズに触れています。撮影に慣れてくれば,トンボを我が友とできるような機会に恵まれ始めます。というか,そんな機会が増えて来る気がします。
秋の赤トンボは絵になります。獲物でも捕まえていようものなら,なおのことですが。
もう一つのサクラの木です。
春の開花を思い起こすと,どうやらソメイヨシノではないように思います。この木はほぼ葉を落としています。花は木全体に付いています。ただ,満開時期を過ぎていて,花弁が落ちたものが相当数あります。満開時に見ていたら,「わぁー!」と思ったかもしれません。
枝を見ると……。こんなふうにあちこちで咲いています。
咲いていない花芽は来春に咲くのでしょうか。それとも今から咲くのでしょうか。よくわかりません。
いずれの枝にも花芽がたくさん。
それでもこれだけ咲いたら,花芽はかなり減っているでしょう。来春の花模様はささやかなものにちがいありません。
それから,もう一つ。上の写真に写っている葉はすべてが若葉です。それまでの葉はいったん落ちて,秋,新たに付いたものです。この葉がもしかすると急きょ開花抑制ホルモンをつくって花芽に届けるのかもしれません。この事情はわたしにはまったくわからず,推測の域を出ません。
公園の看板用支柱にカマキリが一匹。じっとしています。いかにも秋の風景です。メスですから,産卵場所を探しているのかもしれません。
こういうのは縦方向に写すとすっきりします。と思って見上げると,秋らしい雲がわぁーっと広がっていました。なんとも高い空に見えます。
秋が深まるにつれ,カマキリが家の近くや人工物で目に付くようになる気がします。それはたぶん産卵に関係しているのでしょう。実際,我が家の壁にはあちこちに古い卵鞘が見られます。
カマキリは季節の移り変わりを察知しているにちがいありません。秋半ば,カマキリたちはまだまだ私の前に現れるでしょう。
この間,新聞で季節外れのサクラの話題が記事になっていました。ずっとずっと前にこの話を取り上げたことがあります。つい先ごろ,わたしも居住地のむらで二カ所,サクラのの花を見かけました。それで,そのまま放っておくのはもったいないと思い,記事ネタにしようと思った次第です。
春に咲くサクラが今頃開花するのはふつうではありません。その開花メカニズムからいってもなにかしら異変が起こっていると思うのはごく自然なこと。
ところで,この季節外れの開花を一昔前は"狂い咲き"と呼ぶのが一般的でした。もしかすると,今でもそう言い表す人がいるかもしれません。しかし,"狂い"とは少々穏やかならざることばに思えます。今では開花にいたる生理メカニズムが解き明かされ,説明が広く進んでいるので,あまりそのことばを目にすることはありません。結論からいえば,"狂って"咲くどころか,とても論理的な道筋に沿った現象なのです。
翌春に咲くサクラの花芽はすでに夏に形成されます。夏にはもう次の春に咲く花芽ができていると点がキーポイントです。この花芽には,秋になって葉から開花抑制ホルモンが送られます。その後役目を果たした葉は落ちます。これが正常な落葉です。葉の役目は無事終えたことになります。ところが,開花抑制ホルモンがつくられて葉に送られる前に,台風に遭うとか,虫の被害に遭うといったトラブルで葉が落ちることがあります。そうなると,たいへん! 木は開花をコントロールできない羽目に陥ります。
コントロールが効かなくなれば,一定の気象条件下でならいつでも花が開きうるという話のなります。単純な話です。開花抑制が効かず自然の成り行きで咲く,それをふつうのあり方から見ると暴走しているように見えるだけです。それを"狂い咲き"と呼ぶのはやっぱり変です。
一本の木はソメイヨシノ。この木の花はこれだけでした。
葉がほとんどありません。
本来の開花季節ではないため,花には勢いが感じられません。
春咲きのサクラが秋に咲くのは単に季節を勘違いしたわけではけっしてありません。自然現象・事象の背景には論理的な筋道がある,このことが季節外れのサクラの開花にも当てはまります。
N公園は,わたしにとって昆虫との出会いの最適地といえます。見通しのよい風景が広がります。池があります。人影がすくなく,ときどき散策の人が現れて背景に写し込めるのもありがたいなと思います。適度に草が伸びた頃はとくに気に入っており,這いつくばった姿勢での撮影は申し分なしです。
そんな好条件のある日,コバネイナゴを見かけました。サクラの枯れ枝につかまって,そこに触れているイネ科の葉を食べていました。たぶんチガヤあたりでしょう。
池を全面に入れたくて,カメラの位置を変えました。左の方に飛行機雲がわずかに見えます。ジェット機がこちら方向に飛んで来ているのです。
そのうちにイナゴはぴょーんと跳んで,池の淵に着地。
それ以上は行けないと思ったのでしょう,向きをこちら側に変えました。
秋の陽射しがイナゴを照りつけます。からだが輝きます。
静かな環境はいきもののいのちにとてもやさしそうに見えます。わたしのいのちにもそうです。
今度は魚露目を使ってアサギマダラを撮影。アサギマダラは飛翔能力は大したものですが,いったん吸蜜を始めるとじつに落ち着いたもの。人が近づこうがまったく頓着せず,といったところです。それで,レンズを最短1cmぐらいにまで寄せていきました。
翅を広げる瞬間を待ちます。
周りの環境を入れます。ヒトも環境の一要素です。
まもなく大空に舞い上がって行きます。たいへんな旅をするアサギマダラ。
「がんばれー!」。
N公園にて。
草地にサクラの枯れ葉が落ちています。秋がすこしずつ進んでいきます。昆虫を探してそこを歩いていたら,カサカサ音がして飛び出したものがいました。トノサマバッタでした。見ると,ペアが成り立っています。交尾です。トノサマバッタにしたら,突然の侵入者に邪魔されてずいぶん迷惑な話でしょう。
背景と太陽の位置を気にかけながら,反対側から"虫の目"でとらえました。左がメスです。
この後,ペアは別れました。産卵に移らないかなあと思いつつ,しばらく後を追いました。
歩いて少しだけ移動。
じっとしたままでした。わたしが見ている間は産卵行動が始まる様子は感じられませんでした。