ひでんかの”雅でない”日々

庶民の"ひでんか"の日々はちっとも雅じゃないけれど、いろんな人達と楽しい毎日を過ごしています

おかえりなさい

2009-08-04 23:26:27 | ひでんかの「日々の徒然」

もう一昨年になります。
天寿を全うされてお亡くなりになった、お友達のお父様。
かなりのお歳まで、お医者様として活躍されていました。
ご遺体は故人の意志により、これからの医学界を支える後進のために、母校の大学に献体されました。

一般的には、献体した後、遺骨になって還ってくるまでには2~3年かかるそうです。
こちらのお父様も、3年くらいかかるつもりでいたそうですが、予定が早まって(理由は???)今日、還ってくることになり、その「付き添い」でお迎えに行ってきました。

お迎えに行った先は、都心のど真ん中の医科大学。
今時の「近代的な大学」(=インテリジェントビル)とはかけ離れた、かなりレトロな校舎でした。
案内された建物に入ると、目の前がいきなり「解剖室」
「ここで...」と感慨に浸るまもなく、反対側の部屋に通されました。
その小さな部屋(一応、チャペル?ステンドグラスがあります)で、
小さな箱に入ったお父様は、お迎えを待っていました。

受け取りの書類にサインをして、許可証の確認をして、そこからは一般的な火葬場と同じで、丁寧に風呂敷に包んでくださいました。
担当の方は2人。
「お車までお連れします」
と、運んできてくださって、最後は深々と頭を下げてお見送りしてくださいました。
(滞在時間、約10分。あっさりしてます)

一応、夏休み中だと思うのですが、構内には学生さんの姿も多くみられました。
もしかしたら、この中の誰かは、お父様に触れたのかもしれません。

人間のための「医学」では、実際の「人間」に触れなければ学べないことが、山ほどあります。
決して外から見ることが出来ない体の内部、臓器の形や位置といった「物理的な知識」はもちろんですが、それだけではなく、
「医学や医学生のため」に自らの体を提供した数多くの「人の心」を忘れてはいけないと思います。
(と、「昨夜」の先生に言いたい!!)

ドライブがお好きだったお父様の「愛車」、帰り道の「運転手」を勤めさせて頂きました。
ご自宅までご一緒して、こちらもお好きだったワインを供えました。

   おかえりなさい。ながのおつとめご苦労様でした。

(って、書くと、なんだか「おつとめ先」が違うようなカンジですが、久しぶりの「わが家」に戻られた感想はいかがですか?)

コメント
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