アヱネアスは、ひとりになって考えた。彼の心の中には、意志力が強くなってきているのを感じていた。
『我々が形成するベクトル空間をまごうことなく建国へ導いていく』 彼はその自信を自覚した。
簡易にしつらえられた昼食とともに、耳にするとうれしい伝言が添えられて配られた。昼の馳走はその伝言であった。
オキテスもオロンテスも薪が集積されていく現場にいる。緑の葉をつけたままの原木が積まれていく、森を起点にして集積の場まで薪木を運ぶ列が適当な間隔を保って続いた。
『なあ~、オロンテス、明日もこの作業を続けるわけだが、古材が考えていた量より少ない。集落を見まわったのだが使用することのできない朽ちかけた建物がある。いっそのこと壊して燃料にしてしまえ。お前どう思う。一応、軍団長に話を通す』
『うん、それはいいですね。そうしましょう。私はその考えに賛成です』
『判った。仕事は、別働隊を組織して事にあたらせる』
『それで決まりです。オキテス隊長、昼めしにしましょう』
彼は、『判った』 と短く答え、パンを手にして口に運んだ。彼は、パンを食べながら、二、三の者から森の事情を聞き取った。
『そうか、今日はこのままいけるな』
彼は、彼らの意見を聞いて状況を把握して、午後の作業の事を考えた。
『オロンテス、俺はちょっとの間、場をはずすが、ここに戻るまで作業隊をここにとどまらせておいてくれ、すぐ戻る』
オキテスは、イリオネスのところへ足を運んだ。
『軍団長、ほ~ばっていますね。ちょっと話したいことがあります』
『お~っ、なんだ。忙しそうにしているな』
『え~え、そうです。チョッピリ忙しいといったところです。実は燃料の件で軍団長に話しておきたいことがあります』
『何を話しておきたい?』
『むつかしい用件ではありません。集落の中に点々とある使用に耐えない朽ちかけた建物があります。今も使用していません』
『うん、そうだが、それで?』
『我々が形成するベクトル空間をまごうことなく建国へ導いていく』 彼はその自信を自覚した。
簡易にしつらえられた昼食とともに、耳にするとうれしい伝言が添えられて配られた。昼の馳走はその伝言であった。
オキテスもオロンテスも薪が集積されていく現場にいる。緑の葉をつけたままの原木が積まれていく、森を起点にして集積の場まで薪木を運ぶ列が適当な間隔を保って続いた。
『なあ~、オロンテス、明日もこの作業を続けるわけだが、古材が考えていた量より少ない。集落を見まわったのだが使用することのできない朽ちかけた建物がある。いっそのこと壊して燃料にしてしまえ。お前どう思う。一応、軍団長に話を通す』
『うん、それはいいですね。そうしましょう。私はその考えに賛成です』
『判った。仕事は、別働隊を組織して事にあたらせる』
『それで決まりです。オキテス隊長、昼めしにしましょう』
彼は、『判った』 と短く答え、パンを手にして口に運んだ。彼は、パンを食べながら、二、三の者から森の事情を聞き取った。
『そうか、今日はこのままいけるな』
彼は、彼らの意見を聞いて状況を把握して、午後の作業の事を考えた。
『オロンテス、俺はちょっとの間、場をはずすが、ここに戻るまで作業隊をここにとどまらせておいてくれ、すぐ戻る』
オキテスは、イリオネスのところへ足を運んだ。
『軍団長、ほ~ばっていますね。ちょっと話したいことがあります』
『お~っ、なんだ。忙しそうにしているな』
『え~え、そうです。チョッピリ忙しいといったところです。実は燃料の件で軍団長に話しておきたいことがあります』
『何を話しておきたい?』
『むつかしい用件ではありません。集落の中に点々とある使用に耐えない朽ちかけた建物があります。今も使用していません』
『うん、そうだが、それで?』
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