『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  119

2013-10-08 08:00:54 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『ソリタン、お前は明日、薪を切り出す森の探索だ。今朝一緒だった二人とともに出かけてくれ。今日手がけたくらいの森を三つくらい目星をつけてくれ』
 『判りました。あまり遠く離れないほうがよろしいですね』
 『そうだ、その線で行ってくれ』オキテスは体の向きを変えて、『お~い、皆、さあ~さ、作業に取り掛かれよ』
 彼ら一同、『おうっ!』と声を上げて作業に取り掛かっていった。
 オキテスとオロンテスは打ち合わせた。
 『オロンテス、明日の事だ。集落の廃屋の事だが、動員する別働隊には、4番船の者たちを動員する。手が足りないと思ったら、1番船隊の者たちの手を借りる、それでいいと考えている。お前、これから忙しいだろうが、よろしく頼む。作業の者たちには、作業切りあげの頃合いを申し渡してある、心配はいらん』
 『判りました。隊長にはいろいろ手数をかけましたな』
 『何を言う、そのような気遣いはよせ。俺はパリヌルスのところへ行く。用事があったらそちらのほうへ連絡をくれ。頃合いを見て集積場のほうへ来る。それから、小宴はどこでやる予定にしている?』
 『あ~あ、その場所でしたら、昨日の荼毘をしたあの辺りにと考えています』
 『おおっ!そうか。人手が足りないようであったら、4番船の者たちに手伝わせたらいい』
 『ありがとうございます。判りました』
 オロンテスは持ち場へ、オキテスはパリヌルスのところへと足を向けた。。
 そのころ、パリヌルスは、1番船の者たちを引き連れて浜の整備にあたっていた。小島の浜の整備はアレテスが担当して2番船の者たちが作業にあたっている。彼は、今日、明日の二日間で浜を使いよく整備する予定で作業を進めていた。