『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  122

2013-10-11 08:48:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 統領と軍団長が姿を見せた。
 『やあ~、スダヌス浜頭!ようこそ、ようこそ、達者でしたかな。貴方の肝いりで、いいところに砦を築くことができる。感謝の気持ちでいっぱいです』
 『統領!そのように言われると私は恐縮いたします。いい城市を築き営まれますよう祈ってやみません。それに、今回の海賊掃討作戦の快挙、よろしゅうございましたな。おめでとうございます。心からお喜びを申し上げます。あのような者どもは目の上のたん瘤ですな、そのたん瘤が無い、まったく喜ばしいことです。無いにこしたことがありません』
 『どうも、どうも、浜頭の言われる通りです。これを聞いている私、そして、耳にしている一同、感動しています。ありがとう、浜頭』
 『ここに持参しました物、私どもの気持ちです、どうぞおおさめください。魚は新鮮ですぞ!朝採れのキトキトピチピチです。何かと目出度い行事です。羊は白と黒で整えました。どうぞ、お受け取りください』
 スダヌスは、ここで姿勢を整え、周りの者たちにも姿勢を正すよう促し、改まった。
 『今回の事、全ておめでとうございます』控えている浜衆たち一同もスダヌスの言葉に和して合唱した。
 『浜頭、ありがとう。この品々、喜んで頂戴する。本当にありがとう』
 アヱネアスは、深く礼を述べた。訪問歓迎の言葉のやり取りが終わった。互いに満面に笑みをたたえての交歓風景であった。
 『スダヌス浜頭、どうです。少し歩きましょうや』
 『いいでしょう。歩きましょう』
 『浜頭、今日はですな。ハニタス、それに土豪のガリダ頭がこちらに来ることになっている。もうそろそろだと思うが』
 『そうですか、申し合せたように会えるというわけですな。あの小島の海賊どもを一掃された。もう、キドニアの街をはじめ、岬半島、知らぬ者はいません。砂と火山灰のあの小島。こうして眺めてみれば、あのような奴ら、居てもらっては百害あって一利なしです。消えてなくなって当然ですな』