一歩、歩を引いて身を離したスダヌスは、パリヌルスをしげしげと見つめた。額を見つめる、目を合わせる、右肩に目を止める、左肩に目をやる、目線を下げていく、足を見つめて、つま先を見て目線をあげて、目と目を合わせ、身を寄せてパリヌルスの肩を再び力を込めて抱き寄せた。
『大丈夫だ!パリヌルス、お前の五体は満足だ、大変だったろう、ご苦労であった』
『おう、仕事は確かにやり遂げたが、俺は何もしていない。この身より大事な部下を四名失った。それが悔やまれる』
『そうか、その心痛はよくわかる。耐えるのはすこぶる苦しい。俺にも呉れて少しは楽になれ』
『ありがとう。そのように言ってくれるのは、スダヌスお前だけだ』
会話を交わして二人は、互いの五体の満足を喜び合った。パリヌルスは、スダヌス浜頭の用件は聞かずともわかっている。彼はそれを聞くような野暮はしなかった。
船から降りてきたクリテスの兄弟たちにも身を寄せて、肩を抱き、互いの達者を確かめて歓迎の意を伝えた。
末弟のイデオスが声をかけてきた。
『ソリタンはどうしていますか?俺も大義を背にして闘ってみたい。そんな気概を心の中に持っています』
『イデオス、それはだな。お前が男であるという証拠だ』
パリヌルスは、リナウスを呼んで、アレテスへの伝言の件を質したあと作業の段取りを言渡し、スダヌス一行を案内するべく浜を離れた。
一行は、ほどなく集落地の高みに着く、スダヌスは振り返って小島のある海を眺めた。スダヌスは彼なりの感想を口にした。
『そうだな。あのようなところに海賊が居ては話にならん。やったことは、大いに正しい』パリヌルスを見つめて目くばせをくれた。
パリヌルスは、傍らの従卒に統領と軍団長を呼びにむかわせた。
『大丈夫だ!パリヌルス、お前の五体は満足だ、大変だったろう、ご苦労であった』
『おう、仕事は確かにやり遂げたが、俺は何もしていない。この身より大事な部下を四名失った。それが悔やまれる』
『そうか、その心痛はよくわかる。耐えるのはすこぶる苦しい。俺にも呉れて少しは楽になれ』
『ありがとう。そのように言ってくれるのは、スダヌスお前だけだ』
会話を交わして二人は、互いの五体の満足を喜び合った。パリヌルスは、スダヌス浜頭の用件は聞かずともわかっている。彼はそれを聞くような野暮はしなかった。
船から降りてきたクリテスの兄弟たちにも身を寄せて、肩を抱き、互いの達者を確かめて歓迎の意を伝えた。
末弟のイデオスが声をかけてきた。
『ソリタンはどうしていますか?俺も大義を背にして闘ってみたい。そんな気概を心の中に持っています』
『イデオス、それはだな。お前が男であるという証拠だ』
パリヌルスは、リナウスを呼んで、アレテスへの伝言の件を質したあと作業の段取りを言渡し、スダヌス一行を案内するべく浜を離れた。
一行は、ほどなく集落地の高みに着く、スダヌスは振り返って小島のある海を眺めた。スダヌスは彼なりの感想を口にした。
『そうだな。あのようなところに海賊が居ては話にならん。やったことは、大いに正しい』パリヌルスを見つめて目くばせをくれた。
パリヌルスは、傍らの従卒に統領と軍団長を呼びにむかわせた。
