『いやいや、そうではない、考え事だ。ハニタス、何か用か?』
『土豪の頭ガリダが話したいといっている。それで呼びに来た。こっちに来て飲め!』
『今、いいとこだったのに気持ちが残る。しかし、これも娑婆の付き合いか、しょうがねえのう』
スダヌスは呟いて座を立った。
あれやこれやがあって宴は終盤に至ってきていた。
イリオネスがアヱネアスに話しかけた。
『統領、宴が終わりに近づいています。統領の方で何か都合がありますか?』
『いや、これと言って考えてはいない。軍団長、場をしめてくれていいぞ。客人の事もなんだが、皆、楽しんでくれたかな。明日からは新しい一歩だ。軍団長、一歩前へだ、いいな』
『判りました。肝に銘じております』
二人の短い話のやり取りが終わった。イリオネスは、焚き火のシマを巡りながら皆と顔を合わせていった。小隊長格の者に、二言、三言指示を与えて、シマを巡っている。彼は、アレテスたちのシマに来た。
『おう、アレテス、このたびはご苦労であった。お前、怪我はしなかったな、重畳重畳。宴がはねたら小島に帰るのか』
『え~え、そうです。それが、今の私の任務です』
『そうか、よろしく頼む。あの小島の事だが、俺たちが、このクレタで生活をしていくうえで重要な役割を担っているように思える。私はそのように考えている。帰る道中、気を付けていけ』
『ありがとうございます』二人は、硬く手を握り合った。
宴の場には、したたかに酔っている者が多かった。ほとんどの酒樽の酒は飲みつくされている。肴類も食べつくされている。彼はシマを巡り終えて戻ってきた。客人たちを小屋の一棟に案内し終えて、アヱネアスと言葉を交わして、全員に終宴を告げた。
『軍団長、ご苦労、いい宴であった。さあ~、終わろう』二人は並んで広場を見渡した。
焚き火の残り火、たむろする小グループ、焚き火を囲んでの雑談。彼らは過ぎしを語り、今を話す。そして、明日を話し、笑う、わめく、それぞれの宴の後の風景がそこにあった。
『土豪の頭ガリダが話したいといっている。それで呼びに来た。こっちに来て飲め!』
『今、いいとこだったのに気持ちが残る。しかし、これも娑婆の付き合いか、しょうがねえのう』
スダヌスは呟いて座を立った。
あれやこれやがあって宴は終盤に至ってきていた。
イリオネスがアヱネアスに話しかけた。
『統領、宴が終わりに近づいています。統領の方で何か都合がありますか?』
『いや、これと言って考えてはいない。軍団長、場をしめてくれていいぞ。客人の事もなんだが、皆、楽しんでくれたかな。明日からは新しい一歩だ。軍団長、一歩前へだ、いいな』
『判りました。肝に銘じております』
二人の短い話のやり取りが終わった。イリオネスは、焚き火のシマを巡りながら皆と顔を合わせていった。小隊長格の者に、二言、三言指示を与えて、シマを巡っている。彼は、アレテスたちのシマに来た。
『おう、アレテス、このたびはご苦労であった。お前、怪我はしなかったな、重畳重畳。宴がはねたら小島に帰るのか』
『え~え、そうです。それが、今の私の任務です』
『そうか、よろしく頼む。あの小島の事だが、俺たちが、このクレタで生活をしていくうえで重要な役割を担っているように思える。私はそのように考えている。帰る道中、気を付けていけ』
『ありがとうございます』二人は、硬く手を握り合った。
宴の場には、したたかに酔っている者が多かった。ほとんどの酒樽の酒は飲みつくされている。肴類も食べつくされている。彼はシマを巡り終えて戻ってきた。客人たちを小屋の一棟に案内し終えて、アヱネアスと言葉を交わして、全員に終宴を告げた。
『軍団長、ご苦労、いい宴であった。さあ~、終わろう』二人は並んで広場を見渡した。
焚き火の残り火、たむろする小グループ、焚き火を囲んでの雑談。彼らは過ぎしを語り、今を話す。そして、明日を話し、笑う、わめく、それぞれの宴の後の風景がそこにあった。