浅見光彦シリーズで有名な内田康夫さんの推理小説で、「夏泊殺人岬」というのがある。もう何十年も前の作品ではあるが。これは、伊勢にある皇學館大学・雅楽部の夏合宿で殺人事件が起きるという話。(作品中では”皇習館大学”としている。”精華寮”はそのままで書かれているけどね。)
皇學館大学。私の知る限り、太平洋戦争後にGHQによってお取り潰しにあった唯一の大学のはず。柔道、剣道は武道からスポーツに化けることで何とか生き残ったのだが、神道についてはそういう訳にもいかなかったのでしょう。1962年に吉田茂を学長として私立大学として再興する。”小さくても良いから、日本の良き精神を伝える大学であってほしい”的なことを吉田茂が言ったとか。
外宮、内宮を結ぶ道路の丁度真ん中辺りに、皇學館大学はある。この道、大学駅伝の時は大盛り上がりだったんだろうな。
小説の中では、---伊勢神宮に隣接する倉田山という台地の広大な敷地に建てられている。緑に囲まれた立地条件はもちろんだが、伊勢という土地柄そのものが、きわめて「教育的」であるといえる。-途中略- 卒業後の就職先が教育者であり神職であることを考えれば、そういうまじめ人間であってもらわないと困るのだけれど・・・・・・。その「きびしさ」の象徴のひとつに寮規則がある。---と書かれている。では、今現在の皇學館大学は、雅楽部は、リアルどうなんだろう。ということで、本日、皇學館大学・雅楽部の第41回定期演奏会を拝聴。
初めて雅楽というものを拝聴しましたが、あっと言う間の2時間でした。良いです。俺は好きになりました。難しい事は解らなくても、なんつ~か日本人の心に響く音色というか。皆、姿勢正しくきびきびと動き、且つ、優美です。旋律というのか、メロディーラインっていうのか、正式には何と呼ぶのか知らないけれども、予想していた以上に普通に入って行けました。
蘭陵王。”かっこいい!”の一言に尽きる。剣指って言うのだったっけ?人差し指と中指を立てるやつ。安倍 晴明が”急急如律令!”ってやる時とか、中国の剣舞とかでもやるよね。剣指を立てながら雅楽に合わせて舞う姿は、何度も言うけど、ホント、”かっこいい!!”だってばよ。
最後の部長さん?(委員長さん?)のあいさつが、年甲斐にも無く聞いていて私も貰い泣きしそうになった。吉田茂の時代とも違う、「夏泊殺人岬」の時代とも違う。でも、彼ら彼女らは、確実に日本の良き精神を受け継ぎ、育てていっているなって感じました。伊勢は、やはり神都です。神が住まう都。演奏会終了後、倭姫宮、外宮と参拝。明日は内宮を詣でてから、名古屋での仕事に向かう予定ですが、もう、伊勢に来るだけで幸せというか、ありがたい気持ちになりますねえ。
地ビール・神都。美味し。ありがたや。
これで止めておけばいいのに、地ハイボール・イセシマ&ステーキ。やっぱ、酒飲みは人間のクズということで(笑)。
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