わが社にはおよそ40人の社員がいる、当然だがそれぞれに個性がある
その中でも特別に個性が強いのはI君だ。
彼の仕事は会社のパソコンの事務用ソフトの構築だ。
つまり社員の出勤の管理から給料、売上、請求書、決算用のデータを
一括して管理できるようにトータルネットワークソフトを開発しているのだ。
文章で書くと簡単だが会社独自のオリジナルな事務ソフトを
一人で開発したのだから凄いことだ。
事務仕事は彼がいなければ成り立たないと言っても過言ではない。
その位優秀な彼が零細企業のわが社に来てくれたことには複雑な経緯がある。
まず彼の経歴だが国立のT大学で物理を専攻、大学院まで出ている
卒業後、彼の叔父が調剤薬局を手広く経営している関係で
優秀な彼にどうしてももう一度
大学の医学部か薬学部に入ってもらい調剤薬局を
手伝ってもらいたいとなったらしい。
おとなしい性格の彼なので何となくその要望に押し切られてしまい
再度医学部と薬学部を受験、そうして見事両方に合格したのだ。
その後彼は叔父と相談して自分の希望で薬科大学に入学したのだった。
その薬科大学の入学式で私の長男と偶然に隣り合わせになり
友達付き合いが始まった。
それほど優秀な彼だが夏休み前には薬学は自分に合わないとして
家族の反対を押し切り退学してしまったのだ。
普通の人が持つ欲は彼には全くない、価値観が違う
凡人の私には理解が不能だ。
退学後も下宿は同じままで馬が合ったのか4年間長男と親しい付き合いが続き
その縁でわが社に入社したのだ。
長男は薬剤師の資格を取り就職した
彼は大企業に就職したのだが合わなくてすぐに退社している。
その彼もわが社に入社してもう10年以上たつ、
朝は11時頃出社と相変わらずマイペースなのだが、
仕事の結果は出してくれているので私としては何の不満もない。
本来はわが社のような零細企業では
望んでも来てくれるような人材ではない、彼には本当に感謝だ。
目立たないが事務方のいや会社全体の縁の下の力持ちだ。
今までいろいろな人と出会いと別れが有ったが
現在この様な優秀な社員達に囲まれたおかげで会社が成り立っている
感謝しなければいけない。
今日の画はパソコンで描いてみました。
ひよこのゆるキャラです、以後もよろしくです。 w