心ここにあらずで
ただ口だけ動かすありがとう
ただ筆だけ滑るありがとう
心得顔のありがとう
心の底からこんこんと
泉のように湧き出して
言葉にするのももどかしく
静かに溢れるありがとう
気持ちの深度はさまざまだが
ありがとうの一言に
ひとりひとりの心すら超えて
世界の微笑みがひそんでいる
谷川俊太郎氏の「ありがとうの深度」という詩です。田原豊道先生から師範科や連盟大会で教えていただいているのでご存じのかたも多いと思います。
随分前になりますが、インドのジャイプールに行った時、ラフター・ヨーガ(笑いヨーガ)をはじめて体験しました。
町の人々が、出勤前に、この道場に通っているようでした。
アーサナやプラーナーヤーマに、かなり真剣に取り組んだ後、仕上げに、いきなり「ワッハッハ」と笑うのですから私たちはもうビックリ!
でも、真似事をしているうちに、えも言えぬ可笑しさがこみ上げてきて、気がついた時は本気で笑っていました。
「ありがとう」もそうだと思います。
とてもとても「ありがとう」なんて思えない…状況にあっても、口だけ動かす「ありがとう」が、いつしか習慣になり、静かに溢れる「ありがとう」になるのですね。
「ありがとうの深度」
何て素敵な詩でしょう。
写真は佐賀ヨーガ連盟大会の五日市剛先生です。
まるで法輪のように現れているオーブにお気づきでしょうか?(荻山貴美子)