映画「お帰り寅さん」を観ました。
私たちが結婚する前から欠かさず観てきた寅さん。
だから寅さんの歴史は私たち夫婦の個人的歴史を辿るようなものです。
夫は、寅さんのように自由奔放でもなく、破天荒でもなく、変わり者でもなかったですが、どこかひょうきんで、温かくて優しいところが、私にとって寅さんだったのです。
寅さんの思い出が私たちの昔日の思い出と重なり笑いと涙でぐしゃぐしゃになりました。
寅さんファンとしては山田洋次監督に感謝です。
美空ひばりさんのAIを駆使してできた「あれから」という曲に
♬生きるというのは別れを知ること
愛しい人よ
あれから どうしていましたか?
私も歳を取りました
今でも 昔の歌を
気づくと 口ずさんでいます
振り向けば幸せな時代でしたね♬
というフレーズがあります。
寅さんの甥、満男君も赤ちゃんから大人になり人の親になっていました。
寅さんを懐かしむ人々は皆、歳をとり、寅さんだけが若いまま生き生きと蘇ります。
寅さんの妹夫妻も名実共におじいちゃんとおばあちゃんになりました。人生の悲哀を感じると同時にすべては順調に巡っていく…と感じます。
寅さんは永遠です。
そして、我が夫も永遠です。
泣きすぎて瞼が腫れています。
冒頭に「この作品を敬愛する渥美清さんに捧ぐ」とあるように山田洋次監督の愛が詰まった集大成と言えます。