死別の悲嘆研究の第一人者、ウィリアム・ウォーデンの本を読んでみました。
彼は、悲嘆のプロセスは4つの課題をこなしていくことだと言っています。
第一の課題は愛する人はもういない…と認識すること。
葬儀や命日の行事などは死の容認を助けることに確かに役立ちます。しかし、何年経ったからこの第一段階をクリアできるというものでもなさそうです。
第二は、死別の悲しみを体験すること。
私の場合は多忙に追い込み、悲しみを押さえつけようとしましたが、いくら上手に押さえつけても何かの折にフラッシュバックは起こります。
第三は、愛する人のいない環境に適応すること。
夫が亡くなってからは何から何まで私一人でこなさなくてはなりません。しかしこれは段々とできているような気がします。
第四の課題は気持ちの中で故人を位置付けなおし、日常生活を続けていくこと。
私は可愛い供養具を作り毎日夫に話しかけています。そしていつも夫がそばにいる…と思えてきたらマメにお掃除をするようになりました。記憶はかき消されてしまったわけではなく、遺された私の一部となっているわけです。
課題はこの順番で行われる必要はなく、このうちいくつかの課題を行ったり来たりしながらこなしていくとされます。
私はすべての課題を行きつ戻りつしています。
こうして、日にち薬も少しずつ効き始め人は立ち直っていくのでしょう。
今日は青山NHKの集中講座でした。